英国で実施された調査により、違法薬物を摂取した後に運転したことがある運転者の数が心配するほど多いことが明らかになりました。英国人ドライバーの10人に1人が違法薬物をキメてから運転しているとのことです。
英国人ドライバーの10人に1人が違法薬物をキメてから運転している

IAM RoadSmartの調査は、英国の自動車運転者2,028人を対象に行われ、運転前24時間以内に摂取した可能性のある物質を尋ねました。回答者の約10%が、運転開始24時間以内に違法薬物を使用したことを認めています。このデータを運転免許を持つ英国人3,500万人全員に当てはめると、大袈裟な話ではありますが、単純計算で350万人もの人が運転前に薬物を摂取したことがあると考えられます。
最も多く使用されているのは大麻で、回答者の5%が運転前に摂取したことがあると答えています。次によく使われる違法物質は、コカイン、エクスタシー、スピードでした。
この調査は、英国における薬物運転事故の件数が過去最高を記録したことが明らかになったことを受けて実施されました。実際、運輸省は、薬物関連の衝突事故や死傷者が過去10年間で260%以上急増しているとしています。特に心配なのは、これらの違反のうち44%が前科者により行われていることです。
違反のうち44%が前科者により行われている

IAM RoadSmartのポリシー&リサーチディレクターであるNeil Greig氏は、「我々の調査は、英国の薬物蔓延がいかに道路に醜い頭をもたげつつあるかという、悲痛な洞察を提供している」と述べています。
「違法薬物は、運転中の運転者の判断力、反応時間、注意力を著しく低下させ、その影響の一部は薬物を摂取した後、数日間続くことがあります。運輸省の統計に見られるように、このことが国内の道路に大混乱を引き起こしているのです。
しかし、違反の半数近くが前科者であり、死傷者が年々増加していることから、より多くの命が悲劇的に失われる前に、政府がこの問題に対処するための緊急措置をとるべき時です。」
日本で大麻等をキメて運転するとどうなるの?

日本で大麻等をキメて運転するとどうなるのでしょうか?道路交通法施行令別表第2と、道路交通法施行令第38条第5項第2号ハを元に解説します。
日本で大麻やコカインなどの危険ドラッグを使用、またはは所持した場合は、運転していなくても、危険運転致死傷等、麻薬等運転、過労運転、危険性帯有の違反行為で運転免許の行政処分を受けることがあります。
危険運転致死傷
危険運転致死傷等はアルコールや、その名の通り危険な運転をイメージしますよね。当然、危険ドラッグ等を使用して、人身事故を起こした場合でも成立します。免許の取消処分点数は45~62点。欠格期間5~8年相当です。
麻薬等運転
麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤を使用して自動車等を運転した場合は麻薬等運転が成立します。免許の取消処分点数は35点で、欠格期間3年相当です。
過労運転
過労運転は過労、病気、薬物の影響その他の理由で、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転した場合に成立します。麻薬等運転では麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤を使用した場合に成立しますが、過労運転ではそれら以外の危険ドラッグを使用した場合に適用されます。免許の取消処分点数25点、欠格期間2年です。
危険性帯有
危険性帯有とは、自動車等を運転することが、著しく道路における交通の危険を生じさせるあそれがある状態の事を言います。危険ドラッグ使用による運転行為は明らかなものの、過労運転等で取締りができない運転者や、危険ドラッグ等を所持または使用していた場合(使用の反復性等があるもの)に成立します。免許の効力の停止処分(6ヶ月以下)の行政処分があります。
危険ドラッグを摂取してから運転することは、法律で禁止されているだけでなく、非常に危険な行為であるということです。危険ドラッグを使用した上で運転すると、自身の安全だけでなく、他人の安全にも大きなリスクをもたらすことになります。絶対にやめましょう。