自動車愛好家の世界において、一部の車に対するタブーとされるアイデアや非常に異例なカスタマイズが存在します。しかし、その中でもこの日本の自動車愛好家は、車両を独自の個性とスタイルで改造することに積極的な姿勢を持ち、伝統的な価値観から外れたプロジェクトに挑戦します。今回の記事では、ロールス・ロイス・ファントムという高級車に対する驚くべき変更に焦点を当て、そのオーナーがどのように独自のビジョンを具現化させたのかを紹介します。
純正の約2倍のパワーアップ
2009年にロールス・ロイス・ファントムを手に入れたこのオーナーは、その日から車を愛し、それを独自のスタイルでカスタマイズしました。しかし、その変更は通常のものとは異なり、このファントムは従来の高級車のステレオタイプを覆すものとなりました。
オーナーは他にも複数の車を所有しており、車が壊れた時はただ直すのではなく、チューニングしてパワーアップして直す方法をとってきました。
その最も驚くべき変更の一つは、ロールス・ロイス・ファントムのエンジンに行われたものです。通常、この車は高級なV-12エンジンを搭載しており、460馬力の出力を誇ります。しかし、このオーナーは、ファントムの性能を大幅に向上させるため、日本製の2JZ GTEエンジンを取り入れる決断を下しました。この2JZ GTEエンジンは、通常から大幅にパワーアップし、最終的には約900馬力に達しました。これはオリジナルのV-12エンジンの出力をはるかに凌駕しています。
優雅さとスタイルを保ち続けている
この異例のエンジン交換の背後には、日本の直列6気筒エンジンがロールス・ロイスのV-12エンジンよりも優れた性能を持つことが理由として挙げられます。さらに、アフターマーケットパーツの充実度が高いため、必要な部品を手に入れることも容易でした。
ファントムのエンジンルームを開けてみれば、その異例のエンジン交換がいかに印象的かが明らかになります。トヨタ・スープラの3.0リッターエンジンは、元々の巨大な6.75リッターV-12エンジンと比べてはるかに小さく、コンパクトです。しかし、最も印象的なのは、このJDMパワープラントが、通常のV-12エンジンとは異なり、非常に活発で回転の良い性能を発揮しているにもかかわらず、ファントムがその優雅さとスタイルを保ち続けていることです。
エンジン音が鳴り響く瞬間、通常のファントムとは異なる何かがこの車に宿っていることが分かります。しかし、それはまさしく、英国の豪華なバージョンのように、依然として優雅さとスタイルを兼ね備えた驚異的な車であるのです。
個性を反映するキャンバス
このロールス・ロイス・ファントムの変身は、自動車愛好家たちに新しい視点を提供し、伝統的な価値観に挑戦するものとなっています。このオーナーの独創的なアプローチは、車が個性を反映するためのキャンバスであることを証明し、自動車カスタマイズの可能性を広げる一歩と言えるでしょう。このファントムは、単なる高級車を超越した、自動車愛好家の情熱と創造性の象徴となっています。
画像出典:Edward Skvortsov