エンジンのうなり音から、高速道路を走っているときの風切り音まで、車を走らせていると様々な音が聞こえてくる。運転中のロードノイズやその他の迷惑な音をかき消すために、オーディオの音量を上げている人もいるだろう。多くの新型車に搭載されているアクティブ・ノイズ・キャンセリングシステムは、オーディオの音量を上げたり遮音性を高めたりするのとは異なる働きをする。
アクティブノイズキャンセリングとは?

このアクティブ・ノイズ・キャンセリングは、オーディオの音量を上げたり、車の防音材を増やしたりするのとは異なり、同乗者との会話、緊急サイレン、車のクラクション、その他の重要な音を妨げない。
この機能は車内のマイクを使用して、ロードノイズ、タイヤノイズ、風切り音などの不要な音を拾ったり、加速度センサーから得られた情報を使う。システムはそれらの音や情報を処理し、「逆位相の別の信号を生成」して、オーディオシステムから発信することで、不要な音をある程度キャンセルできる。これらの逆相サウンドは、オーディオがオフの場合でも、車両のスピーカーから再生される。
アクティブノイズキャンセリング搭載車

さまざまな自動車メーカーが、新型車に独自のバージョンのアクティブ・ノイズ・キャンセリングを採用している。たとえば、ヒョンデは 2020年に「ロードノイズ・アクティブ・ノイズ・コントロール」 (RANC) を導入。同年、ジャガー ランドローバーは「新しいジャガー F-PACE、新しいジャガー XF、およびレンジローバー ヴェラール」に新しいシステムを導入した。さらに、GMグループは、キャデラックがBoseと提携して、約10年前にキャデラック ATS用のアクティブ・ノイズ・キャンセリングを開発したと語っている。
現在、ほぼすべての自動車メーカーが、一部の新型モデルにアクティブ・ノイズ・キャンセリングを採用している。これらのシステムは、車内に静かで平和な環境を提供し、路上でのリラックスした体験を提供してくれる。
ノイズキャンセリングとコネクテッドカー

これから5Gの普及が進み、新型車のほんとんどがコネクテッドカーになるとされている。アクティブ・ノイズ・キャンセリングの普及や進歩により、YoutubeやNetflix、hulu、Amazonプライムビデオなどの動画配信サービスをより快適に楽しめるようになるだろう。また、今では誤認識の多い音声コマンドもより正確・スムーズになることが期待されている。もっとも、大音量で音楽を流す人にはあまり意味がないかもしれないが。