日本には「郷に入れば郷に従え」ということわざがありますが、イタリアには4世紀のミラノ司教、聖アンブロジウスが残した「sī fuerīs Rōmae, Rōmānō vīvitō mōre(ローマにいるときは、ローマ人のするようにせよ。)」ということわざがあります。
世界には様々な文化があり、それぞれの価値観があります。観光地を訪れた際は、自分の価値観とは異なっていても、その土地の環境や習慣に順応すべしという教えですが、自分の価値観を押し通してしまう場合もあります。
とあるアメリカ人観光客が、フィレンツェのシニョリーア広場が素晴らしい駐車場になると判断したのはそのためです。
シニョリーア広場とは?

シニョリーア広場は、フィレンツェ旧市街の中心部に位置する 14世紀にフィレンツェの政治活動の中心地として栄えた場所です。
周辺には市役所であるヴェッキオ宮殿やドゥオモ広場、ウフィツィ美術館へ向かう道などがあります。ヴェッキオ宮殿の入り口には、ミケランジェロのダヴィデ像のレプリカが観光客をお出迎えしてくれます。他にもヨーロッパやイタリアらしいレストランやカフェがある観光地として栄えています。
事件の概要

フィレンツェ市のスポークスマンによると、観光客がフェラーリを「無意味な方法」で運転し、3月20日の午後1時15分頃に広場に駐車したとのこと。
さらに警官が直ちに介入し、43歳のアメリカ人観光客が、国際協定に準拠していないアメリカの運転免許証のみを持っていて、国際運転免許証を持たずに運転していたと明らかにしました。どうやら彼は地元の運転免許証が国際的に通用すると考えていたようです。
男がなぜスイスのナンバープレートのフェラーリ488スパイダーを運転していたのか、どのようにしてそれを入手したのかはすぐには明らかではありませんが、「歩行者専用の公共広場を横切り、間違った方向に運転した」として、男性は 470 ユーロ (約6万6000円) の罰金を科されました。
アメリカ人観光客と罰金

CNNは、今年、アメリカ人がフィレンツェで運転法に違反したのはこれが初めてではないことを指摘しています。さかのぼること今年の1月、カリフォルニア州の男性が、「アルノ川に架かる古代の歩行者専用橋」であるヴェッキオ橋をフィアット・パンダで渡った伝えられています。
さらにローマでは昨年9月、アメリカ人観光客が噴水の端に座ってアイスクリームを食べたとして約6万4000円の罰金を科されました。
異国の地を訪れる際は、その地の法律やしきたりを下調べした方が賢明な判断と言えます。