車のフロントのデザインによって車の印象は大きく異なる。言いかえれば、ヘッドライトやグリル、フロントバンパーのデザインによって、車はさまざまな表情を見せてくれると言える。クラシックなフォルクスワーゲン・ビートルや MINIなどの過去の車は、かわいらしい顔をしていたが、現代の多くの車は反対の方向に向かっている。これは一体なぜだろうか?
車とパレイドリア現象

攻撃的、怒りなど、現代の多くの車には人間の否定的な感情を表現する顔がある。キャデラック・エスカレードのアグレッシブなグリル、ランボルギーニ・ウラカンの威嚇的なスタンスを想像してみて欲しい。
今日の車両は、往年の親しみやすいデザインとはかけ離れている。1960年代には幸せそうな顔をしていた MINI Crossoverでさえ、今では脅威的な爬虫類のようなフロントエンドを持つアグレッシブなデザインになっている。
人は雲の形から動物、顔、何らかの物体を思い浮かべたりと、視覚や聴覚で得た対象を実際とは異なる別の既知のものとして認知・解釈してしまう事がある。これをパレイドリア現象という。車のデザインにもこの現象が関わっている。
人は怒りっぽくアグレッシブなデザインの車を好む

ヨーロッパの調査会社である EFS Consulting Viennaは、車の顔が車の好感度にどのように影響するかについて、パレイドリアに関する調査を実施した。この調査のために、調査会社は 40人 (男性 20人、女性 20人) に、幾何学的形態計測と呼ばれるシステムに基づいて自動車モデルを評価するよう依頼した。 そして、研究参加者に「成熟度、性別、態度、感情、性格など、ひと目で人間の顔から推測できるすべての要素」をスライドスケール (「幼児期~成人期」、「男・女」など) で車両を評価してもらい、最後に、彼らに「その車が好きかどうか」を答えてもらった。結果は圧倒的な差で、参加者は力を感じさせる「怒った」顔の車を好んだという。
自動車デザイナーが怒った顔の車を作る理由

自動車メーカーは、車の開発と設計に多額の費用を費やしているため、当然のことながら、人々が購入する可能性が高い車の設計に細心の注意を払いたいと考えている。そして研究が示すように、人々は怒った顔をした車を好む。
アメリカの自動車の専門家は、「一部のメーカーは、目の動きの追跡と脳波測定を使用して、製造前の車の外観が、人々にどのように反応を与えるかを確認している」とも主張している。
自動車デザイナーも動物界からインスピレーションを得ている。これには、毒蛇や幽霊など、怖さや力を象徴する動物が含まれている。
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