電気自動車産業は、ここ数年で大きく成長してきました。ガソリン価格や環境への配慮は、ユーザーが電気自動車に乗り換える強い動機になります。しかし、この分野は非常に新しいためまだ大きな未解決の問題があります。そのひとつが、最新の電気自動車に搭載されているバッテリーです。電気自動車はバッテリーを含めてエコなものなのでしょうか?
リサイクルできる?

電気自動車にはリチウムイオン電池が搭載されています。電気を蓄え、使い切ったら充電することができます。しかし、その電池が消耗し走行距離を十分に確保できなくなると問題が発生します。大きく重い電池は環境負荷が大きいため、業界ではリサイクルの開発が盛んに行われています。
しかし、電池のリサイクルは決して安くはなく、効率的でもなく、迅速でもありません。電気自動車がさらに普及し、スケールメリットが生まれればコストは下がるでしょうし、電気自動車としての寿命が尽きてもバッテリーの使い道はあるはずです。現時点ではこれが大きな問題点です。
リサイクルの現状は?
現在、材料でリサイクルの価値があるものはコバルトだけという意見があります。そして、リチウム、マンガン、ニッケルなど、追加処理が必要でコスト高になる材料が数多く残っています。使用済みリチウムとマンガンの買手がいない。など多くの問題があります。
バッテリーの寿命は?

一般的な自動車メーカーは電気自動車のバッテリーの寿命保証期間を10年ほどと発表しています。バッテリーの劣化という問題はこれからも続くでしょう。劣化の度合いも様々です。バッテリーの容量が20%を下回るような状態が続くと、劣化が早まることがあります。高速充電器を常用すると劣化が早まります。これらはどのメーカーのバッテリーでも変わりません。
コストにもよりますが、バッテリーが元の容量の70%から80%まで劣化したら、買い替えを検討する必要がありそうです。理由はカタログ通りの航続距離やパワーが得られない可能性があるためです。
どんなリサイクル方法があるの?

とある企業はバッテリーを家庭用蓄電池に再利用する方法を開発しています。これは、電池に最小限の手を加え原材料を追加することなく再利用することができます。しかし、電池はまだ1つの構成部品です。よって、最終的には廃棄する必要があることに変わりはありません。また、ソーラーパネルで蓄えた電気の保管場所として、電池の再利用という方法も開発中のようです。
電気自動車の産業事態が新しいため、解決しなければならない問題はたくさんあります。しかしこの問題が解決できればもっと低コストで電気自動車を生産できる日がやってくるかもしれません。