F1タイヤは最強？

自動車はレースという競技を得て開発、進化してきました。その中でF1は、4輪レースの最高峰に位置するカテゴリーにあります。つまりそのレースで使用されるタイヤは現在の最先端であり高性能なはずです。ではなぜF1のタイヤは乗用車に起用されないのでしょうか。

他のタイヤとの違い

普段の通勤車にF1のタイヤを履かせたらどんな感じなんだろう。と思ったことはありませんか？タイヤは路面でのハンドリングや走行性能に重要な役割を担っています。オフロードからパフォーマンス走行まで、目的に応じてさまざまなタイヤが設計されています。

例えば、F1用のタイヤは、レース場の高速かつ高負荷な環境用に特別に設計されています。しかし、F1タイヤを普通のクルマに履かせるとどうなるのでしょうか？

まず、F1タイヤとノーマルタイヤの違いを理解することが大切です。F1タイヤはドライコンディションで使用されるタイヤで、ノーマルタイヤよりもかなり柔らかいコンパウンドでできています。そのため、路面をよりよくグリップし、加速、ブレーキング、コーナリングの際に最大のトラクションを発揮することができます。しかし、この柔らかさゆえに通常のタイヤよりも摩耗が早いのです。

また、通常のタイヤよりも幅が広いため、路面をグリップする面積が大きくなります。逆にトレッド面は通常の乗用車用タイヤよりもかなり浅く作られています。そのため、路面との接地面積は少なくなりますが、レスポンスや俊敏性は高くなります。

メリット

F1タイヤを乗用車に装着すると、まずグリップ力が飛躍的に向上します。柔らかいコンパウンドと広い面積を持つタイヤは、クルマの加速やコーナリングをより力強く行えるようになる。そのためドライバーは今まで経験したことのないようなコントロール感とパワーを得ることができるでしょう。

自分の車を趣味でサーキット走行する方には最適です。特にレース場などのクローズドコースでは、グリップとパフォーマンスが向上することで、より過激なドライビングを体験することができます。さらに、コントロールが難しいので、運転能力の向上にもつながります。

デメリット

F1タイヤが持つ最高のグリップ性能と引き換えにたくさんの注意すべき点がたくさんあります。このグリップを得るためには、まずタイヤを80〜100度程度に温める必要があります。普通のクルマに乗っているドライバーが、コントロールを失うことなく左右にハンドルを切ってF1タイヤを温められるでしょうか。

次に、乗り心地が大きく低下します。F1タイヤは可能な限り軽量に設計されているため、クッション性があまりありません。そのため、路面の凹凸を通常のタイヤよりも多く感じることになります。特に悪路や長距離走行では、ロードノイズも大きく、不快な乗り心地になります。

F1タイヤを乗用車で使うことの大きな欠点は、タイヤの寿命が短くなることです。前述したように、F1タイヤは柔らかい素材でできています。その分、削れる速度が通常のタイヤよりも圧倒的に早いです。

結論

乗用車にF1タイヤを起用しない理由の答えは？

結論は先述の通りデメリットが圧倒的に多いからです。タイヤにお金を使うことに躊躇がなく、毎日の通勤が退屈。そんな方には良いかもしれません。快適な乗り心地と低燃費を求める方には、市販されているタイヤで十分なようです。