ハイパーカーのメンテナンスには、小型飛行機と同じかそれ以上の費用がかかることは周知の事実です。日常的な修理に多額の費用がかかるのは当然ですが、ブガッティ・ヴェイロンのイグニッションコイルとスパークプラグを交換するのに270万円以上の費用が掛かります。
1本2万3000円のスパークプラグ

Redditに投稿された、この作業に携わったという人物の話と写真は、まさにエキゾチックなものです。明らかに、普通のクルマでは決してミスファイアすることのない2つのシリンダー、13番と16番が、140mph(225km/h)以上のワイドオープン・スロットルでミスファイアしていたとのこと。

投稿者のFixitstevenによると、交換用のコイルパックは1個730ドルで、到着までに1カ月以上かかったそうです。パッケージもヴェイロンに匹敵するほど高級感があり、品質も高い。一方、スパークプラグはVWの純正品で、1本18ドル(約2400円)といいます。しかし、これはヴェイロンなので、ブガッティからは1本170ドル(約2万3000円)で販売されています。この作業には2万ドル以上の費用がかかると言われていますが、その工程を見ると、その理由がよくわかります。
なぜこれほど高価なのか?

スパークプラグの交換には、複数のボディパネルを取り外す必要があるため、繊細かつ慎重な作業が必要です。リアバンパーはそのままで、その他のリアパネルはすべて取り外す。さらに、エンジンルームが広く、かつ密集しているため、メカニックが寝転んで作業できるよう、専用の器具を使用します。
これだけやっても、簡単な作業ではありません。「コイルパックやプラグにアクセスするためには、何層ものパーツを取り外す必要があるのです。コイルを取り出すには、ジップタイを100本ほど切り、エンジンハーネスをブラケットから剥がし、エンジンベイの深淵に何も落とさないようにするしかありません」とメカニックはメディアに語っています。
マイアミのブガッティメカニックによると、この作業は通常エンジンを出さなければならない40~50時間の作業だと言ったと言います。彼はそれを約35時間でやり遂げたのです。しかし、熟練したメカニックがどれだけ時間を短縮できるかは、興味深いところです。
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