古いものを指す時、クラシック音楽だとかアンティーク家具、ヴィンテージ物だとかと言うが、車にもこれが当てはまる。車だとクラシックカー、アンティークカー、ヴィンテージカーという言葉を耳にするが、これらはどのように分類されているかご存じだろうか。それぞれの定義は、国や団体によって異なるが、クラシックカー、アンティークカー、ヴィンテージカーの違いについて詳しく見ていこう。
クラシックカーとは?
ほとんどの人は、比較的古い車を見ると、「クラシックカーだ」と思うだろう。しかし、日本クラシックカー協会(JCCA)によると、協会が主催するクラシックカーイベントやレースの参加可能な車両は、主に”1975 年までに生産された車両およびその同型車に限り 1979 年までに生産された車両”としている。海外だとクラシックカークラブオブアメリカは”1915年から 1948年までの特定の車”のみが「フル クラシック」としており、アンティーク オートモービル クラブ オブ アメリカは、”25 年以上経過したすべての車”をクラシックカーとしている。しかし、広く一般的とされているのが、1970年代までの車をクラシックカー、1980~90年代までをネオクラシックカーとする見方だ。
アンティークカーとは?
アンティークカーは日本ではあまり聞きなじみのない言葉かもしれない。自動車大国アメリカでよく使われる言い方で、アンティークカーはクラシックカーよりも少し明確に分類されてる。American Car Collectorsはアンティークカーを
1975 年以前に製造された、または45年以上経過した「生存者」または元の製造元の仕様に準拠して復元されたもの
American Car Collectors
としている。これを先述したクラシックカーの定義と比べてみると、日本ではアンティークカーとクラシックカーの定義が基本的には同じという事になるので、これがあまりアンティークカーと呼ばれない理由かもしれない。
ビンテージカーとは?
クラシックカーやアンティークカーとは異なり、ヴィンテージカーは1919年から1930年の間に製造された車を指す。ただし、こちらも「この期間内の全ての車」をビンテージカーとする見方もあれば、期間内の車であっても「価値のある車」のみをビンテージカーとする見方もある。
いずれにせよ、1908年~1927年まで製造された、世界初の大量生産車であるT型フォードの一部はビンテージカーに当てはまらないということになる。
最近流行りの音楽にもあったように、人は分類したがる習性があるとかないとか。しかし、人々が分類したいと思うほど、これらを分類することは不可能だ。いつの日か、目を丸くした子供が2000年代の車を見て、「あのクラシックカーを見て!」と言うかもしれない。そして、何がクラシックカーで、何がアンティークカーで、何がビンテージカーかを判断する良い方法がないことに気付くだろう。いずれにせよ、古い車の分類は曖昧で複雑で不明慮である。