地域によってはクラムシェル・フードとも呼ばれるクラムシェル・ボンネット。これは長年にわたってさまざまなクルマに採用されてきた特徴的なボンネットデザインです。ボンネットまたはエンジンカバーが2つに分かれていてヒンジでとめられています。このデザインは、美的要素を加えるだけでなく、メンテナンスやアクセス性において実用的な利点もあリります。クラムシェルボンネットは過去から現在でも一部の車両に採用されています。クラムシェルのコンセプトは、自動車業界だけにとどまらず他の業界にも存在します。
クラムシェルデザインとは

クラムシェルデザインは、閉じたときの貝殻の形状に似た2つのパーツ構造によるものです。これによりクラムシェルボンネットは閉じたとき継ぎ目がありません。よって切れ目のない外観になり、一体化した1つのパーツのような印象を与えます。
クラムシェルボンネットの古い車
様々なメーカーのクラシックカーが、クラムシェルフードのデザインを取り入れています。アグレッシブなスタイリングと高性能で有名なダッジ・バイパーもその一台です。ボンネットが前方に開き、その下に巨大なV10エンジンが見えるのが特徴です。スタイリッシュなイタリアのスポーツクーペのアルファロメオGTVも同様です。クラムシェルボンネットを採用し、エンジンへアクセスしやすくしています。シボレー・コルベットのC3世代やC4世代などの古いモデルでは、クラムシェル・フードが逆向きに開く構造になっています。
クラムシェルボンネットの新しい車

自動車業界のデザイントレンドは進化し続けています。ですがクラムシェルボンネットが完全に姿を消したわけではありません。現代のクルマの中には、いまだにこのデザインを取り入れているものもあります。例えばフォルクスワーゲンのアルテオンです。流麗で高級なセダンですが、クラムシェルボンネットのデザインが高級感をさらに際立たせています。高級フラッグシップセダンのジェネシスG90なども同様です。また、スポーツカー部門ではジャガーFタイプが挙げられます。クラムシェルデザインを採用し、エンジンルームへの容易なアクセスを可能にしながら、空力特性を高めています。
クラムシェルデザインの利点
このデザインは、自動車の領域にとどまらずさまざまな製品にも見られます。例えば、ノートパソコンもその一部です。キーボードとスクリーンがヒンジで接続され、携帯性と保護のために閉じることができるようになっています。美しく見せるためだけではなく、保護する面も備えているのです。