1769年にフランスで自動車が誕生してから250年以上。今では自動運転機能が付いた車まで登場してきた。自動車が普及しはじめた当初は当然エアコンやパワステなんて付いていなかった。今回は世界で初めて○○を装備した車たちをご紹介。歴史を追って技術の進歩を見てみよう。
・セルモーター

Greg Gjerdingen from Willmar, USA, CC BY 2.0 https://creativecommons.org/licenses/by/2.0, via Wikimedia Commons
セルモーターを世界で初めて搭載したのは1912年のキャデラック モデル30。セルモーターが実用化するまでは、クランクシャフトにクランク棒を突っ込んで回し、エンジン始動させていた。キャデラックの創業者の友人がクランク棒の操作を行ったところキックバックを受けて重傷を負い、亡くなった事が契機だったそうだ。
・エアコン(冷房装置)

Dsorrells, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons
世界で初めてコンプレッサーを用いた冷房装置を装備した乗用車は1940年型パッカード。機能的ではあったが、現実離れした価格、かつメインのエバポレーターとブロワーシステムがトランクスペースの半分を占めるほど巨大であったため人気を得られず、翌1941年に廃止された。
・パワステ

世界で初めてパワステをオプション装備した乗用車は1951年のクライスラー・インペリアル。この車は同社の最高級モデルで、パワステのオプション価格は$226だった。
・インジェクション

世界で初めてインジェクションを採用した車は1954年発表のメルセデスベンツ・300SL。 同時に自動車用としては世界初のガソリン直噴エンジンでもあった。SLとはドイツ語でSport Leichtの略で、軽量スポーツカーの意。
・ABS

世界で初めてABS(後輪のみ)を標準装備したのは1970 年のリンカーン コンチネンタル マーク III。4輪にABSをオプション装備した車は1978年のメルセデス・ベンツ Sクラス W116型。
・電動格納ミラー

世界で初めて電動格納ミラーを装備したのは1984年の日産ローレル(C32型)。日本では1983年まで安全性の観点からフェンダーミラー以外認められなかったのだが、その翌年に世界初の技術を盛り込んだのだから驚き。

・自動運転

自動運転にはレベルが1~5まであり、レベル3から運転主体が「人」ではなく「システム」になる。このレベル3の自動運転機能を世界で初めて発表したのは2017年のAudi A8だが、法整備などに課題があり搭載はされなかった。世界で初めて「レベル3」の自動運転技術を搭載した車は、2021年発売のホンダ・レジェンド。
自動車に関わらず、技術は日進月歩で発展している。車が空を飛ぶ時代だって、そう遠くはないかもしれない。