現在、太陽の周りには8つの惑星といくつかの小惑星、そしてイーロン・マスクの車が回っています。
2018年、イーロン・マスクは、スペースX社が開発した超大型ロケット「ファルコンヘビー」に個人所有のミッドナイトチェリーのテスラ・ロードスターを乗せました。処女航海(ロードスターではなくロケット)で、テスラは太陽の周りを恒久に回る軌道に乗せられました。
これは試験的な打ち上げに過ぎなかったのですが、テスラ・ロードスターは、瞬く間にインターネットでセンセーションを巻き起こしました。
「Don’t Panic!」

イーロン・マスクが宇宙に送り込んだ愛車は、スポーツカー界に衝撃を与えた2010年のテスラ・ロードスターです。
292馬力を発生する375ボルトのACインダクション空冷電気モーターを搭載したロードスターは、0-96km/hを標準モデルで3.9秒、Sportでは3.7秒で加速することができます。
わずか 3.5 時間で充電できるリチウム イオン バッテリー パックにより、推定航続距離は約320kmを超えます。
離陸する前に、SpaceXはロードスターの運転席に、「スターマン」というニックネームの宇宙服を着たマネキンを座らせました。ダッシュボードには、古典的なSF小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』にちなんで、「Don’t Panic」という遊び心のあるサインが描かれていました。
さらに、SF界の巨匠アイザック・アシモフの作品が詰まったデータ記憶装置や、スペースX社の数千人の従業員の名前が刻まれたプレートも設置されました。
何十億kmの旅

数十年前、人々は2023年には車は空を飛んでいるだろうと考えていました。現実はその想像を超え、なんと車は宇宙を飛んでいます。イーロン・マスクのテスラ・ロードスターは、今も猛スピードで宇宙を駆け抜けています。
2018年2月の打ち上げ以来、ロードスターは太陽系を何十億kmも旅してきました。
テスラ車と同じくらいフォトジェニックなこのロードスターは、残念ながら数年間、地球にあるすべてのカメラをかわしてきました。主な理由は、(他の天体と比較して)望遠鏡で拾うには遠すぎて小さすぎるためです。ロードスターが撮影された最後の写真は、宇宙に突入した直後の地球のすぐ隣でした。
しかし、その姿は見えなくても、どこにあるのかがはっきりわかるというのは、いいニュースです。ロードスターはNASAのHorizonsデータベースに “object -143205, SpaceX Roadster (spacecraft) (Tesla) “という名の天体として登録されています。
スターマンとテスラは宇宙大冒険

宇宙を飛行することは、道路を運転することとは少し異なります。一時停止の標識や信号機がなく、ブレーキは機能ません。ロードスターの旅は何百万年も続き、その遺産はバッテリーが切れた後も長く生き続けます。私たちが宇宙の深みを探求し続けるとき、ロードスターは希望の灯台として機能し、人間に出来ないことは無いことを思い出させてくれます。