臓器提供者は命を救います。しかし、臓器の重さによって命を救われることは通常ありません。実際、コロラド州で起きた交通事故では、ある臓器提供者の臓器がまだ摘出されていなかったおかげで、ハッピーエンドを迎えることができました。霊柩車の運転手がコントロールを失い、霊柩車を雪の崖の端まで滑ってしまいました。崖っぷちに立たされた霊柩車は、運転手が無事に脱出するのに十分な時間、バランスを保っていました。運転手は、荷台の遺体に命を救われたと思っています。
霊柩車の運転手は運んだ遺体に救われた

事件は今年1月29日に起ききました。臓器提供者の遺体を載せた霊柩車は、吹雪の中、午前3時にアイゼンハワートンネル付近の山を登り、米国州間高速道路システムで最も高い地点である大陸分水嶺を越えていたところ、赤いダッジ・ドュランゴが急に車線変更してきたため、避ける為に急ハンドルを余儀なくされました。
霊柩車はコントロールを失い、運転手と同乗者は崖の中腹に向かって滑走しました。車両は崖の端で停止し、霊柩車のほぼ半分が虚空にはみ出した状態になりました。まるで映画のように、柩の前輪は無の境地に吊り下げられ、柩の後部はまだ崖っぷちにいる状態です。運転手は、車が文字通りぐらぐらと揺れ、わずかに傾いたと語っています。しかし、ドライバーはゆっくりとドアを開け、無事に車外に出ることができました。霊柩車の運転手は、自分が助かったのは、運んでいた故人の乗客の体重が大きかったからだと述べています。その重量が、霊柩車の転倒を防いだのです。
事実は小説より奇なり
動画では、現場にいた警官が「あれはラッキーなマザー○ッカーだ」と言うのが聞こえてきます。霊柩車に向かってこのような言葉を聞くことは一般的ではありません。しかし、もし臓器が摘出されていたら、あるいはもう少し小さかったら……、などなど、いろいろな可能性を考えてみると、このシーンはもっとひどいことになっていたかもしれません。
日本の移植希望者14,000人のうち、移植を受けられるのはわずか2%と言われています。脳死後の臓器提供の場合、最大で「心臓」「肝臓×2」「腎臓×2」「膵臓」「小腸」「眼球×2」で最大11人を救う事ができます。
いま、この瞬間にも多くの人が移植を待っています。この事件をきっかけに、臓器提供について考え直してみるのも良いかもしれません。