グランドツーリング(GT)はその名の通り「大旅行」の意味で、19世紀イギリスにおける貴族階級の子供達が行く、いわゆる修学旅行が起源です。転じて現代では長距離を速く、快適に走るのに特化した車「GTカー(グランドツーリングカー)」と呼び、ベントレー・コンチネンタルGTや、メルセデスAMG・GTなど様々なGTカーが存在します。
さて、トヨタ・スープラと聞くとスポーツカーのイメージが強いですが、実は現行のGRスープラは優れたGT性能をも誇ります。
今回、筆者は北海道をメインに、GRスープラで10泊11日・3400kmに及ぶ大旅行、まさに”グランドツーリング”に出かけました。このグランドツーリングで改めて痛感した、GRスープラがGTとしても優れている10の理由についてご紹介します。
もちろん観光名所も回っていますので、「東京発着・10泊11日で行く北海道モデルルート」としても参考になるかと思います(ややマニアックだけど)。長い記事になりますが、観光名所と美味しいご飯屋さん、ホテル・宿もご紹介しますので、お付き合いいただければ幸いです。
【1日目 東京→青森 750km】ACCと優れた高速燃費性能
今回は東京から青森まで寄り道含めて750kmもの距離を自走しました。計画では新潟からフェリーに乗る予定でしたが、エンジントラブルで欠航になってしまった為仕方がありません。
750kmと聞くと嫌になるような距離ですが、GRスープラにはアダプティブクルーズコントロール(ACC)が付いている為へっちゃらです。
ACCはシステムが自動的にアクセルとブレーキの両方の操作を行なう運転支援機能です。普通のクルーズコントロール(設定した速度を保つ)機能に加え、前走車がいる場合はセンサーが前走車を検知して、ドライバーが設定した車間距離を一定に保ちながら走ることが可能になります。
ACCのおかげで身体的に疲れる事は無く、総休憩回数は3回、休憩時間はトイレ休憩のみだったので合計15分で青森までたどり着きました。
また、今回はACCを90~100km/hに設定していたのですが、3.0Lターボエンジンにもかかわらず燃費は18km/Lと、スポーツカーとは思えない高速燃費性能を誇ります。
1泊目の観光
・三内丸山遺跡
小中学校で一度は習ったことのある遺跡。縄文時代前期から中期の遺跡で、世界遺産にも登録されています。
・夕食「ちゃおず」
中華料理をベースに、パスタ・ピザ等、イタリアン、串焼き創作肉寿司など和食など様々な料理を味わえるお店。筆者は「あんかけ角煮チャーハン」を注文。リーズナブルなのにボリューミー!心も胃袋も満たされました。
・ホテル「青森グリーンパークホテル・アネックス」
出発の直前になって青森まで自走する事になった筆者。しかしお盆期間という事もあり、なかなか宿が空いておらず、数少ない空きのあるホテルの中で一番安かったこのホテルを選択。お盆期間なので駐車場代込み・素泊まりで1万円しましたが、青森駅周辺の観光もできつつ、翌日のフェリー乗り場までも近い為ちょうど良かったです。
【2日目 青森→洞爺湖 150km】メリハリある走り
2日目はいよいよ試される大地、北海道へ上陸します。6:00にチェックアウトしてフェリーターミナルに向かいます。乗船まで時間があるので、港にあるファミリーマートでトイレを済まして軽食を買う事をおすすめします。
青森から函館まで24,400円、約4時間の船旅です。筆者は船酔いにめっぽう強い人間ですが、旅を共にした友人はダウンしていました。
グロッキーな友人と海を眺めていると、待ちに待った函館に到着です。函館に着いたらすぐさま洞爺湖まで150kmの道のりを進んでいきます。道中は海沿いや、山、永遠と続いているかのような平坦な直線など、まさにツーリングに持って来いな道が続きます。
GRスープラにはノーマルモードと、スポーツモードの2種類が備えられており、ゆったり走りたいときはノーマル、代名詞であるバブリングやワイルドな走りを楽しみたいときはスポーツモードに入れる事によって、メリハリのある走りを楽しむ事が出来ます。
筆者は海沿いを走っている時は、窓を開けて潮風を感じながらゆったりと。山を走る時はシフトダウン時にバブリングを楽しむ。平坦な道を走る時は基本的にはノーマル、トラクターを追い越す時はスポーツモードに入れて加速を楽しむ。といった具合にシチュエーションごとに、グランドツーリングとスポーツカーの2種類を楽しんでいました。
2泊目の観光
・昼食「濱乃家」
函館から洞爺湖までのちょうど中間地点にあたる長万部にある海鮮料理店。北海道最初のごはんは、いくら丼とカニ飯でした。具材もたっぷりで贅沢な気持ちを味わえます!!
・洞爺湖
漫画「銀魂」の銀さんが愛用する木刀で有名な洞爺湖。日本で3番目に大きいカルデラ湖であり、日本百景にも選ばれています。中央に浮かぶ中島まで行ける船も出ています。因みに例の木刀も越後屋さんで入手可能です。
・夕食「牛助」
昼に海鮮とあらば、夜は肉でしょう。こちらのお店は友人からの紹介だったのですが、友人には感謝しかありません。筆者はジンギスカンをオーダーしたのですが、これが驚くほどにジンギスカン特有の臭みが無いのです。また来ます。
・ホテル「絶景の湯宿 洞爺 湖畔亭」
露天風呂に入りながら洞爺湖を一望できる宿です。ロビーからすぐに洞爺湖散策に出かけられ、コンビニも近いので便利です。夜にはビンゴ大会が開かれています。
【3日目 洞爺湖→小樽 140km】シートの調整幅が広い
3日目は洞爺湖から観光名所、小樽を目指します。筆者は4年前にも北海道を一周しているのですが、道中に当時の愛車、初代ダイハツ・コペンがオーバーヒートし、レッカーされてしまう事件が発生してしまいます。
そのレッカーされた現場が、小樽までの道中であるニセコの温泉だったのですが、今回こそはどうしても行きたくて寄り道しました。というかこの大がかりな旅の最大の目的がこの温泉に行く事でした。
しかし、やはり試される大地。今回は通行止めという形で筆者の前に立ちふさがります。後日宿に電話して聞いてみた所、そもそもお盆期間はお休みしていたとのこと。またリベンジようと思います。
前回の北海道一周旅行についてはこちらをご覧ください。(記事の最後にもリンクを貼っておくので、読み終えてからでも是非!!)
ニセコから小樽まではニセコパノラマラインという、自然を感じるワインディングロードを通ります。ワインディングを走る際に重要なのがシートのホールド性です。コーナーでは右へ左へGが掛かるので、体がしっかり保持される事が求められます。
GRスープラには電動ランバーサポートとサイドサポート幅が調整できる、8WAYメモリー機能付きシートが装備されています。ワインディングではサイドサポートの幅を狭くすることで、ホールド性を高める事が出来ます。
また、ロングドライブで役に立つのがランバーサポートです。ランバーサポートとは腰をサポートするための機能で、脊椎と背中への圧力を軽減し、長時間座っているときの疲労感を緩和することに役立ちます。
また、シートポジションを2つ登録出来ので、「運転用・休憩用」「通常運転用・急な坂道用」などとシチュエーションに応じてシートポジションを自動で変える事も可能です。
3泊目の観光
・「洞爺クラシックカー&アートギャラリー」
車好きなら絶対に行くべきスポット。2000GTのプロトタイプ(不思議な個体)やスーパー・シックス・エセックスクーペなど様々なクラシックカーが展示されています。
お隣のパーラーふくださんに入り、店内奥にある通路から行く事ができます。パーラーふくださんではコーヒーを注文しました。
・小樽市総合博物館
かつて北海道中を走っていた鉄道の歴史などが学べます。当時のターンテーブルもそのまま残っており、鉄道に興味が無くても引き込まれる世界観です。工事で行けませんでしたが、スバル360などを展示した自動車館もあります。漫画「ゴールデンカムイ」ファンなら行くべきスポットですね。
・夕食「PRESSCAFÉ」
ウーズレー・ホーネットとルノー・キャトルがお出迎えしてくれるカフェ。店内にはレーシングミニが鎮座しており、ミニを拝みながらパスタやカレーを楽しめます。また、雑誌を始めとした書籍が多数あり、中にはロータス・ヨーロッパのサービスマニュアルまでありました。車好きなら絶対行くべきお店です。
・ホテル「ホテル・トリフィート小樽運河」
小樽運河のすぐ近くにあるこのホテルは、小樽観光に持って来いな立地にあります。駐車場は敷地内と建物一つ挟んだ場所にあるコインパーキングを含む提携駐車場に止める形になります。どうしても敷地内が良い方は早めのチェックインをおすすめします。