冬になると、車の暖房システムは欠かせません。車のエアコンはいつでも故障する可能性がありますが、適切なメンテナンスを行うことで、暖かい空気の流れを維持し、修理工場へ出向く頻度を下げることができます。ここでは、車のヒーターが作動しない基本的な理由とその解決策をご紹介します。
車のヒーターが必要な理由
車のヒーターは、寒くなったときに体を温めてくれるだけのものではありません。フロントガラスやサイドウィンドウ、時には霜が降りた朝のサイドミラーをクリアにするための熱も供給しています。
極端な冬の天候では、フロントガラスが凍らないようにヒーターが働きます。雪の影響で車中で立ち往生したときに、命を救うのに十分な熱を供給してくれるかもしれないのです。
ヒーターはどうやって機能するの?
電気自動車(EV)や古い空冷式VWビートルを除いて、車のヒーターはエンジンの高温の冷却水から熱を得ています。なのでエンジンが温まっていないとヒーターは機能しません。
車がオーバーヒートしないようにするための冷却水には、寒い気温で凍結しないようにするための不凍液が含まれています。その為、水よりも凍りにくく作られています。
このエンジンによって温められた高温の冷却水を小さなラジエーターに通します。その後ファンで風を送リます。この小型ラジエーターはヒーターコアと呼ばれ、車の前部にあるラジエーターと同じように、フィンから送られた空気を加熱する。暖まった空気はダクトを通って、デフロスター、ダッシュボード内の吹き出し口、足元へと吹き出します。
勘違いされている方も多いようですが、一部の車両を除きエンジンの熱とエンジンが作り出した電気のよってヒーターが動きます。よって、曇りとりの為にエアコンのスイッチを入れる。などエアコンのスイッチを入れない限り燃費が下がることはありません。つまりヒーター機能だけでは燃費に影響しません。
冷却水が少ない
エンジンの冷却水量が少ないことは、車のヒーターが作動しない一般的な理由の一つです。冷却水はエンジンを冷やすことが1番の使命なので、少ない状態で作動すると、温められたクーラントがヒーターコアに送られません。
冷却水のレベルをチェックし、常に満タンにしておけば、夏のオーバーヒートを防ぎ、冬の寒い朝には窓ガラスを確実に霜から守ることができます。また、冷却水の漏れに注意することも大切です。点検時にはクーラントタンクのキャップを開ける前に、エンジンが冷えていることを確認することが重要です。
エアロック
これは、熱い冷却水がヒーターコアに到達しないような状態です。エアロックはクーラントがシステムから漏れたり、冷却水が少なくなったときにシステムにクーラントを戻す際に起こります。
解決策としては、数時間放置して冷えたエンジンで始動し、冷却水タンクのキャップを開け、ヒーターをフル回転させてから車を始動させます。車が暖まるにつれ、冷却水はシステム内を循環し、エアロックの泡を吐き出します。これがエア抜き行為です。
次に、「満タン」ラインまでクーラントを補充し、クーラントタンクのキャップを慎重に取り付け、テストドライブします。帰ってきたら車の下に水漏れがないかを必ず確認してください。
ブロアの故障
もうひとつのよくある問題として吹き出し口から空気が出てこない。冷たい空気さえも出てこない。というものです。ほとんどの場合、ブロアに電力を供給するヒューズが飛んでいることが原因です。
この場合は車両のブロアのヒューズを交換すれば治ります。車の取扱説明書を見れば、どのヒューズで、どこにあるかがわかります。もし交換したヒューズがすぐに切れるようであれば、危険な電気的問題の可能性があるので、車を整備工場に持って行ってください。