これまで様々なEV問題を紹介してきました。今回は環境編です。
発電
電気自動車を推進する理由の一つに、電気自動車がガソリン車よりもクリーンな交通手段である。というのがあります。 確かに電気自動車は排気ガスを排出しません。しかし電気自動車だけを単独で見ると全体像を見逃してしまいます。
電気を使うには発電しなければなりません。我々は発電のために火力発電に頼っています。また原子力も利用しています。核廃棄物はそれ自体が環境に悪影響を及ぼします。電気の使用量が増えれば発電量も増やさなければなりません。この状態でクリーンな移動手段と言えるのでしょうか。
鉱山への影響
EV バッテリーの製造に必要な 2 つの重要な素材。それははリチウムとコバルトです。需要の急速な増加に対応して世界中で鉱山が掘削されています。 リチウム採掘は主に中国と南米の一部に集中していますが、最近インドやドイツのライン川流域でいくつかの鉱床が発見されました。
コバルトで汚染された土壌は人体に危険をもたらすことがわかっています。EVに対する世界的な需要が高まるにつれ、こうした環境への影響はさらに大きくなると予想されています。
バッテリーの廃棄とリサイクル
EV はこれまで多く販売されており、10 ~ 15 年後には大量の EV バッテリーが耐用年数に達することになります。 現世代のリチウムイオン電池をリサイクルする簡単な方法はなく、いくつかの新興企業が電池内の材料を再利用する方法を開発しているものの、今のところかなり小規模な事業にとどまっています。
重要な問題は、現在の EV バッテリーがそもそもリサイクルできるように設計されていないことです。製造プロセスをできるだけ簡単かつコスト効率よくするために、多くのバッテリーはリサイクルが非常に難しい方法で設計されています。
修理できない
バッテリーの修理の難易度はメーカーによって異なり、テスラのモデルYはその独特の構造と車内のバッテリーの配置のおかげで修理がほぼ不可能であるという意見もあります。 これにより、事故の際に保険会社が高額な修理費や償却費を考慮して保険料を調整するため、世界各国では所有者の保険料が上昇するケースがあるようです。
バッテリーのリサイクル技術が確立されていない以上は修理できないとなると交換しかありません。この状態が続くと地球がバッテリーのゴミで埋もれてしまうかもしれません。