世界中の多くの自動車ファンにとって、ジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェームズ・メイが司会していた時代のトップ・ギアは忘れられないものです。
残念なことに彼らはBBCを離れ、現在はAmazonの自動車番組「The Grand Tour(グランドツアー)」の司会を務めていますが、またしてもジェレミーの失言により打ち切りの危機を迎えているようです。
降板とグランドツアー
ジェレミー・クラークソンの人種差別的発言や、プロデューサーへの暴力事件などが契機となり、2015年3月25日にジェレミーの番組降板が決定しました。それに引き続き、残りのリチャード・ハモンド、ジェームズ・メイの2人もBBCから契約を解除され、世界中の車好きが愛したTop Gearは一度終わりました。
その後トリオは、2015年7月にAmazonと契約し、トップギアの代わりとも言える自動車番組「The Grand Tour」の司会者として復帰しました。また、同社の別番組であるClarkson’s Farmでは、ジェレミーが英国の農業の窮状を現実的でありながら、面白い見方で伝えており、人気を博しています。
しかし、多くの人が疑問に思っていました。クラークソンが BBC に戻ったらどうなるでしょうか? そのような可能性はあるのでしょうか? クラークソン自身も少し考えたようですが、彼の推論はファンを失望させるかもしれません。
ジェレミー・クラークソンの考え
クラークソンはタイムズのコラムで彼の考えを述べています。
「すべてのBBCプラットフォームの誰もが何よりも恐れているのはTwitterの反発であることを忘れないでください。」「そして、彼らはすべてのショーが LGBT+コミュニティ、少数民族コミュニティ等にとって完璧である必要があります。そのように保守的に考えていると、情報を提供し、教育し、楽しませるという概念がほとんどなくなります。」
「(そのような状況下で)今トップギアの司会者になれるだろうか?まず無理でしょう」と彼は締めくくっています。
グランド・ツアーも打ち切り!?
ジェレミーのBBC復帰が難しいのは事の経緯からして納得できます。しかし、またしても彼の新たな失言により、現在司会を務める「グランド・ツアー(The Grand Tour)」の先行きすら怪しいと報じられています。
ジェレミーは2022年12月、イギリスのタブロイド新聞「The Sun」のコラムで、イギリスのハリー王子の妻、メーガン・マークルについて、「メーガン マークルは、人々が彼女に排泄物を投げつける中、裸で英国中をパレードするべきだ」と述べました。
この失言には2万件を超える苦情が寄せられ大炎上し、「本当に申し訳ありません。足の甲から頭の毛根まで。私は手を挙げています」と、自身のInstagramアカウントにて謝罪し、クリスマスの朝にメールでメーガン・マークルとハリー王子に直接謝罪したことも明らかにしました。
この件に関してイギリスの雑誌「Variety」は「グランド・ツアー」と「クラークソン農場(Clarkson’s Farm)」は現在のシーズン終了後に、ジェレミー・クラークソンと仕事をすることはないだろうと報じています。プライムビデオは、この報道に対してコメントを拒否しています。
Variety誌によると、同紙は少なくともシリーズ終了まで、スペシャルエピソードがあと4話あり、その最後のエピソードは2024年末に放送されるだろうと予想しています。
彼の発言に擁護の余地はありませんが、「グランド・ツアー」と「クラークソン農場(Clarkson’s Farm)」が打ち切りとなれば、それは非常に残念な話です。