幼いころ、ねだってもねだっても買ってもらえなかったレーシングカート。そんな幼少期から十数年が経ち、社会人になった筆者はついに念願のレーシングカートを始める事に。その経緯や実際にかかった費用についてシェアしていく。
何故今になってカート?
多くのレーシングドライバーは幼少期からレーシングカートを始める。「はじめるに遅いはない」という言葉を耳にするが、今から筆者がF1ドライバーになり、無線芸人としてF1公式Youtubeのネタになるのは夢のまた夢。そもそも筆者はレーシングドライバーになりたくてカートを始めるのではない(無線芸人には憧れている)。筆者がカートを始める理由は「車に対する感性を磨くため」である。よく自動車評論家たちが「○○が○○の時に○○だから剛性が無い」と言うが、筆者にはその感性がない(というよりか自信が無い)。その感性を磨く為にカートを始めるのだ。
なぜカートでこの感性を磨けるのかという所だが、レーシングカート経験者でレース経験もある筆者の義理パパ(になる予定)がこの感性の持ち主だからだ。義理パパいわく「レーシングカートは体感速度が速くて体にかかるGフォースもF1並み。そんな過酷な状況の中、後ろにブレーキが1つしかなく、デフもないようなマシンをいかに速く走らせるのかというのがレーシングカート。そんなレーシングカートを半年でもやった後に車でサーキットを走ると、その簡単さに驚くよ。また車の状態が良く分かって、足が柔らかい~だとかそういうのが分かるよ(意訳)」とのことだった。カート初日に出会ったカート歴30年の方も同じことを仰っていたので、きっとそうなんだと思う。そんな話を聞いた瞬間、カートを始めるぞ!と決心がついた。
何かを得るには何かを差し出せ
そうと決まればレーシングカートを買うしかない!と言いたいところだったが、浪費癖のある筆者は愛車スープラの維持で精いっぱい。カートを買うには何かを犠牲にして資金を集める必要があった。思い立ったが吉日。早速月に一回バッテリーが上がらないように乗るだけのバイクを手放しに行った。涙ながらに庭の盆栽と化していたグラディウス400を手放したが、シートにカビが生えているほど状態が悪く、二束三文にしかならなかった。
ええい!こうなったらショップに行ってとりあえず話を聞いてみよう!!とバイク屋から見切り発車でカートショップへ向かった。急な来店にも関わらず、カートショップでは店員さんがカートの仕組みやクラス分け、必要な装備や金額について、右も左も分からない筆者に親身になって教えてくださった。金額のイメージを掴みたかったので、予算などの都合を伝え、なるべく長期的に見ても安く済むような見積もりを出してもらった。
貯金できない”体質”の切り札
「なるべく安く」をコンセプトに、中古のフレームなどで見積もりを出して頂いたのだが、この時点で金額は備品や整備費用なども含めて56万円にまで膨れ上がっていた。これにヘルメットやスーツなどの装備を揃えてしまうと、彼女は鬼と化し、義理パパ(予定)が義理パパ(予定)では無くなってしまう予感がしたため、とりあえずヘルメットなどは後で揃える事にした。
結局話を聞きに来ただけのつもりだったが、親身に対応してくださったので購入することに。それでも56万円という金額は到底バイクを売った金額には届かない。そこで登場するのが貯金できない”体質”の切り札である「分割払い」だ。金利は高いが、いつの日か改心して貯金が出来るようになり、未来の自分が残一括してくれるだろうと期待を込めてカードを切った。56万円の36回(3年)払いで月々は19500円程だ。未来の自分に期待するのが得意な同志はこの方法でカートを買うのも手だ。
気になっている方もいらっしゃるかと思うが、ショップによっては購入したカートを預かってくれるサービスもある。筆者が購入したショップではこのサービスがあり、走行日にはサーキットまで持ってきてくれるのだ(共に有料)。置き場や載せる車も無くてもカートを楽しむ事が出来るのだ!!
初走行!!
筆者のカートは2週間で組みあがり、晴れて初走行の日を迎えた。練習日なのでヘルメットとグローブはバイクのを(2りんかんの激安品)、スーツは義理パパ(予定)のおさがり(ありがたい)。シューズはいつもの浪費癖で買った1回しか履いていないドライビングシューズを持って行った。他にも携行缶や工具などを追加で購入して持って行った。実際に揃えたものや費用については後述するので、そちらもチェックしてほしい。
朝7:30にサーキットに到着。ショップのトラックから購入したカートを下ろし、カートの準備方法を教わった。準備が終わったらレーシングスーツに着替えて待ちに待った初走行!
ボコボコにされた
筆者は新品のエンジンを購入したので慣らし運転から始める。走行枠はクラス分けがされており、筆者は初心者クラスでの走行だったのだが、同じ枠には筆者よりも15歳は若いようなジュニアの選手たちもいた。筆者は慣らし運転でゆっくりと走行しているので、ジュニアの選手たちに何度もぶち抜かれていった。慣らしも終わり1周だけペースを上げ、ジュニアの選手たちの走りを後ろから観察してみる事にした。当然同じラインを取ろうにも、ワガママボディの筆者と彼らの体重差は50kgはあるので、彼らがスポーツカーのように曲がるのに対し、こちらはトラックのように重々しくしか曲がれない。結局コーナー2つだけでかなり離されてしまった。
彼らにボコボコにされたことで、文字通り重い腰を上げてダイエットに取り組もうと決心がついた。モータースポーツは筆者のような、車が好きな高級ボディの持ち主にとって、健康な体になる良いきっかけなのかもしれない。
実際に揃えたものと費用
レーシングカートを始めるにあたり、筆者が実際に揃えたものと費用についてご紹介する。
本体と備品
カート本体(カートスタンドなどを含む)・・・56万円
ガソリン携行缶・・・4320円
ポリミックスタンク・・・1416円
工具一式・・・0円(もともと持ってた)
レーシングカート用の工具セットなんてのもあります。
2ストオイル・・・3500円
チェーンスプレー・・・2350円
本体と備品合計・・・57万1586円
1走行当たりの料金
コース走行料金・・・6000円(9時~16時30分まで)
カートのガソリン代・・・1600円(ハイオク10L)
カート運搬費用・・・5500円
交通費・・・6000円(ETCとガソリン代合計)
食費・・・2000円(温泉でのマグロ丼を含む)
帰りの温泉代・・・950円(重要)
1走行当たりの合計料金・・・22050円
本体と備品合計+1走行当たりの合計=593633円
本来であればこれにスーツやヘルメットなどを揃えなければならないので、プラスアルファで十万円前後かかるだろう。
と言うわけでレーシングカート始めました。初心者なりにレーシングカートの情報を発信していきますので、カートに興味があるけど、なかなか始められない…といった方の参考になれば幸いです。
次回!社会人、レーシングカートを始める【Vol.2】~連続して同じタイムを出せ!~
こうご期待!!