金融車って何!?
金融車とはざっくり言えば借金のカタで取られた車。金融車として出回る車の殆どはローン中の車だ。例えばA社からのローンで車を買ったBさんが、急に現金が必要になり、車を質に入れ、金融業者のC社からお金を借りたとする。しかしBさんはC社からの借金を返すことができず、C社は質に入れていた車を手にすることになったとしよう。当然、C社は車ではなくて、貸したお金を手にしたいので車を売る。こうして売られた車を金融車と言う。金融車の中にはフェラーリやベントレーといった高級車も存在し、相場より3~5割前後安く手に入れる事が出来る。(いわゆる訳ありだからね)
名義はローン会社なのに売れるの?
ローン支払い中の車という事は、基本的には所有権はローン会社のA社にあるはず。使用者であるBさんは車を使用できても、売ることはできないのではないか?そう思う方も多いと思うが、ローン中の車でも借り入れが可能な金融業者が存在する以上は売ることができてしまうのだ。担保として車を引き上げた業者が直接誰かに販売するケースや、名義関係の書類の無い車を取り扱う業者などを経由して市場に出ることもある。
金融車のローンってどうなっているのか?
当然のことだが、ローンの支払いはローン会社とローンを組んだ人の契約なので、金融車のローンは元々ローンを組んでいた人が払い続ける事になる。金融者を買ったからと言って、ローンまで引き継ぐという事ではない。
金融車のメリット
金融車のメリットは何といっても価格が安いという点。金融車と聞くと安くてチープな中古車ばかりをイメージしがちだが、実際には中古車市場でも人気が高く、価格が下がりにくい高級外車などが金融車として市場に出回るケースもある。憧れの高級車を何としてでも安く購入したいという方にとっては大きなメリットだ。
金融車のデメリット
金融車を購入する最大のデメリットは名義変更ができない事だ。先述した様に、車の所有権はローン会社のままだからだ。ローンの返済が完了していない限りは所有権解除ができない。当然自動車税の支払いも自分の元に来ないので、前使用者が自動車税を代わりに支払ってくれない限り車検も受けられない。第三者納付という方法をとれば車検自体は受けられるが、税制上の問題で車両差し押さえといったリスクを伴う事にもなる。また前使用者が交通違反や放置駐車の違反金を滞納していたり、強制抹消している場合等には、車検を受ける事ができない。また名義変更ができないという事は一時・永久抹消ができないので、廃車や解体も簡単にはできない。また自動車保険に加入できない場合や、ある日ローン会社から「この車返してや」と、返還を求められる場合もある。
金融車を買うと捕まるのか?
金融車の購入自体は違法ではない。しかし、車というのは購入してから15日以内に名義変更を行い、車庫証明を届け出なければならない。金融車の場合、名義変更ができないので、乗り続けてしまうと違法になる。余談だが「即日納車」を歌う車屋が注意書きに「14日以内に車を必要書類と一緒に一度返してください」と入れるのはこの為だ。また、所有権を持つローン会社が購入者の知らない間に車を廃車・抹消してしまうケースも考えられるので、あるひ突然車が無車検の状態になり、最悪は免停にだってなりうる。
金融車って結局どうなの?
デメリットばかり紹介してしまったが、中には金融車を専門に取り扱う業者もあるので、そういった所からの購入であればリスクは抑えられるし、普通に買うよりかは安心して購入できるだろう。Youtubeのネタとしてとか、「安く乗って楽しむ」程度で考えるなら一つの選択肢としてはアリかもしれない。ただし、自己責任になるので違法性が無いようにしっかりと調べる事が重要だ。