世の車好きなら一度はリフトアップしたNAロードスターの動画を見たことがあるかもしれませんが、あれには続編がある事をご存じですか?今回ご紹介する車は、その伝説のNAロードスターをベースに、同じ製作者がWRXのパワートレインを移植した変態マシンです。伝説の続きを見ていきましょう。
破格で手に入れたWRX
WRXの前のオーナーにとって、この車は頭痛の種でした。この車のエンジンは調子が悪く、ブロックにヒビが入ったと思っていたからです。そこで、GingiumはWRXをわずか600ドルという破格で買い取ることができました。
幸運なことにエンジンを分解してみるとブロックにひびは無く、シーラント不良だったことが判明しました。さらに、この車にはすでにピストン、コンロッド、ターボも改造されており、Gingiumはドナー車両としてこれ以上ない車を格安で手に入れる事に成功したのです。
エンジンスワップに立ちはだかる壁
搭載するWRXの2リッター水平対向エンジンEJ205は、オリジナルのマツダ製エンジンよりも大きい為、前方に置かなければなりませんでした。しかし、その前方位置では、ロードスターのボンネット/フェンダー/シャーシに対して約7.5cmほど高すぎてしまいます。
そこで、Gingiumはロードスターのダッシュパネルから先をぶった切り、フレームを自作しました。しかし、フレームを自作してエンジンを搭載できるようになったものの、エンジンルーム内に冷却装置を設置するスペースがなくなってしまいました。そのため、冷却システムをロードスターの後部に再配置する必要がありました。
この後ろに再配置された冷却システムは車の存在感をさらに高めます。しかし、これはわずかしかないロードスターの荷室を奪う事になるので、長距離旅行の場合は荷物を収納する為にルーフラックを装備するそうです。
パワーチェックで驚異の数字を叩き出す
エンジンが無事組付けられると、リアのドライブトレインやミッションの取り付けに移ります。今回のプロジェクトではスバルの四輪駆動システムをそのまま移植しており、さらにリフトアップによって困難なオフロードでも確実に対応できるようになりました。
エンジンには、大型のターボチャージャー、社外クラッチ、新しいインタークーラー、カスタム燃料システムなどのさまざまなアップデートが加えられました。
こうして組みあがったロードスターはテストドライブの後、ブルーに塗装され、内装が再取り付けられてから、パワーチェックの為にダイナモに運ばれました。そこで判明した数値は360馬力と360ポンドフィート (488 Nm) のトルクと驚異的な数値でした。
完成後は早速ダートトラックへ
パワーチェックを終え、全ての工程を終えたGingiumは早速ロードスターをダートトラックへ持っていきます。
ダートトラックを爆走するその姿は圧巻で、まるでグランツーリスモをプレイしているような非現実的な光景です。運転しているGingiumは実に楽しそうで、笑みを浮かべたり驚いたりで常に口が開いています。
そんな彼の動画はこちらからご覧いただけますので、是非チェックしてみてください。刺激いっぱいで、最後は「マネしたい!」と思うほど興奮すること間違いなしです!
画像出典:Gingium