日本で走っている長い乗用車と言えば、ベンツのSクラスロングやハイエースグランドキャビンなどが挙げられます。現行のW223型のSクラスロングの全長は5m29cm。ハイエースグランドキャビンは5m38cmです。そこで問題。世界で一番長い車は何m?
世界で一番長い車「アメリカンドリーム」

世界で一番長い車、その名を「アメリカンドリーム」と言います。その全長は何と30m54cmで、Sクラスロング5台あっても足りない長さです。そしてアメリカンドリームという名に恥じないスペックも持っています。収容可能人数は75人、プールやジャグジー、ミニゴルフコースやヘリポートも備えています。まさに陸の豪華客船と言ったところでしょう。そんなアメリカンドリームはどのようにして生まれたのでしょうか?その歴史を見ていきましょう。
元々は18mだった

アメリカンドリームは1976年式キャデラック エルドラド ストレッチリムジンをベースに、1986年に作られました。これはキャデラック社ではなく、カリフォルニア州で自動車カスタマイズで有名なジェイ・オルバーグ氏によって作られました。26本のタイヤと、車の前後にV8エンジンを搭載していました。この時の長さは18.28mで、当時からアメリカンドリームは「世界一長い車」としてギネス世界記録に認定されおり、映画にも出演するほど有名になりました。しかし、そんな人気も長続きせず、やがてゴミ同然のように放置されていました。
1度復活を試みるも

そんな放置されたアメリカンドリームををレストアしようとした人がいました。それはニューヨーク州にある博物館「Autoseum」のオーナーのマイケル・マニング氏です。彼によると、最初に見た時には落書や窓が割れていたりと、ただのガラクタのようだったとの事。それでもマニング氏はアメリカンドリームを気に入りレストアすることにしました。しかし購入したはいいものの、レストアにかかる資金を集めることが出来ず約8年間の間手つかずのままでした。結局、アメリカンドリームの駐車場の賃貸期間が終わってしまい、一度ebayに出品することにしたのです。
復活のアメリカンドリーム

ebayに出品されたアメリカンドリームを見つけた人がいました。フロリダ州にある車の博物館『Dezerland Park Car Museum and Tourist Attractions』のオーナー、マイケル・デザー氏です。テザー氏は車を買取り、マニング氏も協力してレストアすることになりました。そのレストアにかかった金額は約2900万円以上。そして完成するまで3年もの年月を要しました。レストアではオリジナルのルックスに戻すのはもちろん、内装や駆動系にまで手を入れています。そんな復活したアメリカンドリームは『Dezerland Park Car Museum and Tourist Attractions』にて展示されています。フロリダ旅行の際は是非!
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