待ちに待った長期休み。帰省される方も多いかと思いますが、乗り物酔いが不安なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、長距離ドライブなどで役立つ「乗り物酔いの原因」と「酔い止め薬の作用」をご紹介します。
乗り物酔いの原因

乗り物酔いの原因は諸説あり、主な原因は三半規管への刺激です。人間の体は、目で見た情報などを頼りに「揺れ」を予測しますが、この予測と実際に三半規管で感じ取った情報に不一致が生じると乗り物酔いが発生します。例えば運転している時は急ハンドルや急加速をしても、車の挙動を予測できるので酔いにくいですが、助手席に座っている時に予測不能な急ハンドルや急加速をされると、酔いやすいのはこの為です。
他にも、芳香剤や排気ガスなどの不快なにおいや、睡眠不足や体調不良は、自律神経が乱れる原因になります。また、乗物酔いを意識しすぎてしまい、その不安感が乗り物酔いの原因になる場合もあります。酔い止め薬は主にこの二つの現象を予防、または軽減することを目的として作られています。
乗り物酔いの主な症状

乗り物酔いの症状は、段階によって変化します。
初期症状→めまいや生あくび、生唾が出るなど。
症状の発症→動機や頭痛、体のしびれ、顔面蒼白、冷や汗、胃の不快感など。
症状の悪化→車酔いが悪化すると、吐き気や嘔吐の症状になります。
子供の場合は特に三半規管が弱く、車にも不慣れなため酔いやすい傾向があります。
酔い止め薬に含まれる成分と主な作用
抗ヒスタミン成分
吐き気などの症状は、脳から放出されるヒスタミンという物質が、脳の嘔吐中枢を刺激することによって起こります。そこで抗ヒスタミン成分は、この作用を抑え、吐き気などを抑える働きがあります。
副交感神経遮断成分
副交感神経遮断成分は、副交感神経を抑えることによって、乗り物酔いを起こす原因である自律神経の乱れを抑える働きがあります。
局所麻酔成分
局所麻酔成分は、胃粘膜を麻酔することによって、胃への刺激をやわらげ、吐き気などを抑える働きがあります。
中枢神経興奮成分
中枢神経興奮成分は、脳を軽い興奮状態にさせることによって脳の混乱を抑えて、乗り物酔いの予防する働きがあります。
酔い止め薬の注意点

酔い止め薬は、乗り物に乗る30分~1時間前に服用するのが特に効果的です。酔ってから飲む場合は、症状を和らげるために、なるべく早く飲みましょう。服用の際は、お茶やジュースなどは含まれる成分によって正しい効果が得られない場合もあるため、水で服用するよう心がけてください。また、酔い止めの薬の服用は、個人差や薬によっては眠気が起こる場合があります。
酔い止め薬が無い場合

車の外に出て気分転換
もし可能であれば車から降りて外の空気を吸ったり、ストレッチをするなど、リラックスして気分転換しましょう。乗り物酔いした場合はリラックスがキーワードになります。
窓を開けて遠くを見る
窓を開けて空気を入れ替え、遠くの景色を見ることは酔い止め薬が無い場合に効果的です。近くの景色を見ていると、視覚からの情報量が多く症状が悪化する恐れがあります。重要なのはリラックスすることです。遠くの景色をボケーっと見てリラックスしましょう。
リラックスできる状態を作る
PAやSAに車を止める事が出来るのなら、シートベルトを外し、靴も脱いでとにかくリラックスできる状態を作りましょう。もしスペースに余裕があるのなら、横向きになることをお勧めします。
帰省時は、渋滞や時間に押されて焦る場面もあるかもしれません。しかし、乗員全員が気持ちよく、リラックスして旅をすることが重要です。乗り物酔いしやすい方はあらかじめの酔い止め薬の服用と、万が一の際は「二次災害」が発生する前に、今回ご紹介した処置を取るよう心がけてください。良い旅を!