アメリカンマッスルの代表格であるフォード・マスタング。マスタングと言えば、見た目もパワーッ!も筋肉モリモリマッチョマンな車をイメージするが、果たして2.3Lターボモデルでも「マッチョ」なのか?そこで今回は2015年式フォード・マスタング 50イヤーズエディション試乗記をお伝えしていく。
マッチョはマッチョでも…

アクセルを少し踏み込むと「ブォオオオ」という野太い低音を奏でながらマスタングは進んでいく。その乗り味はやや硬めで丁度良い。出だしはやはり少しもたつくような感じがしてV8のような図太いトルク感こそないが、進み始めれば2.3L直四ターボの力強さを感じられる。ノーマルモードで2500rpm付近まで引っ張るので音や加速の迫力を感じられる。エンジンが軽いのでハンドリングも良く、四輪独立懸架のおかげでコーナーでの安定感もある。エコブーストを積んだマスタングは全体的に軽やかな印象がありながらパワーも申し分なく、まさに「細マッチョ」と言ったところだろうか。
意外と扱えるサイズ感

マスタングの横幅は1920mmと比較的大きめなのだが、不思議と走っていてその大きさは気にならなかった。きっと車体が角ばっているからであろう。また前方の車両感覚もロングノーズなのにも関わらず、ボンネットの先端がストーンと落ちているので感覚もつかみやすい。大きい車には変わりはないので、駐車の際の切り返し時に見切りがいいのは好印象だ。
低身長なら後部座席もイケる??

大きくて太い上腕二頭筋(?)を開けるとレトロモダンなインテリアが広がっている。インテリアは航空機のコックピットをイメージしており、ステアリングのボタン類やトグルスイッチが男心をくすぐる。それでいてマスタングの伝統でもあるシンメトリーなダッシュボードデザインを踏襲しており、歴史のある車のトレンドでもあるレトロモダンなパッケージをしている。シートはマッチョからかけ離れたポチャである筆者に丁度良くフィットし、ステアリングの調整幅もあるので、シートポジションもばっちしだった。後部座席はおまけ程度なので、当然成人男性だと足元にゆとりはなく、頭もリアウィンドウについてしまう。しかし身長160cmぐらいまでだったら問題なく座ることができるだろう。
AMERICAN細マッチョ

確かに「アメ車と言えばV8でしょ」という声もあると思うし、私もその一人だった。しかし実際に乗ってみるとエコブーストならではの軽快な加速感やハンドリングを楽しむことができ、それでいてスタイリングは勿論、やや荒々しく回るターボエンジンからアメリカンな印象を受けた。このアメリカンな細マッチョというキャラクターは十二分に面白いし不思議な感覚がある。偏見はどこかへ置いてぜひ一度乗ってみて体感していただきたい一台だ。