ポルシェ・ケイマンとの出会いは2008年、ロサンゼルスオートショーでの事だ当時ロサンゼルスに住んでいた私は、車好きな父に連れて行ってもらったのを覚えている。その時色々カタログをもらったが、その中でもケイマン・ボクスターのカタログは印象的で、まさかその車に乗ることになるとは夢にも思わなかった。
ポルシェ・ケイマンの購入
2021年6月、その「まさか」は現実の物となる。2010年式ポルシェ・ケイマン。これが私の愛車だ。私と年の近い人で外車の購入を躊躇っている人もいるかと思うが、この記事が何らかの形で役に立つことを願う。
私がケイマンを購入したのは、社会人になったまさにその月、社会人1か月目の事だ。13万キロ越えではあったが、安さの誘惑には勝てず即決で購入。社会人になりたてで、貯金を崩すのが嫌だったので72回ローンで購入。迷いはなかった。
突然のトラブル
納車されてから毎日の通勤や旅行、キャンプにも行った。過走行でも全然大丈夫じゃん!そう思った矢先に最初のトラブルに見舞われる。オイル漏れだ。会社の駐車場に日に日に増えていくオイル染み。「まぁこんなもんだろう」そう言い聞かせるも染みと共に増す不安。一度工場に入れてみる事にした。
ケイマンによくあるオイル系トラブル
987型ケイマンのオイル系でよくあるトラブルはまず、エンジンからのエンジンオイル漏れだ。水平対向エンジンというエンジンの特徴上、直列やV形等と比べ起きやすいトラブルと言える。その次はデフオイル漏れだ。漏れの原因はいくつかあるらしいが、一番の原因はガスケット等の経年劣化によるものだ。私のケイマンもデフ当たりから漏れているようだったので、恐らくこれだと思っていた。
トラブルの原因は不明?
早速工場に持っていき、まず言われたのはデフオイルは漏れていないという事だ。ただオイルハウジングが怪しいらしいので、すぐさまパーツを発注してもらい、直してもらった。もろもろ込みで3万円くらいだった。ようやく帰ってきたケイマン。”嬉しい気持ち”と”今後の不安”はコインの裏表だった。
神様とのコイントス勝負
ケイマンが帰ってきてまもなく、私はコイントスに負けた。アイドリング中に「ガー・ガー」という
すさまじいノイズが出るようになった。夜の国道、赤信号。隣のスポーツカーと目が合う—–と同時に鳴り始めるノイズ。「お前異音するポルシェ乗ってるの!?」と言わんばかりの表情を見せる隣のドライバー。忘れられない憐みの顔。すぐにでも修理に出そうと思った瞬間である。
前期型ケイマンはエンジンに欠陥があり、乗せ換えると車両代くらいの修理費を請求される事で知られている。後期型では改良されたとは聞きていたが、どれだけ調べてもGoogleは「あんたのケイマンはエンジンがダメだね」という答えしかくれなかった。
結論から言うと悪かったのはエンジンではなく、オルタネーターだった。見たかGoogle。しかし純正部品は国内に在庫無し。本国取り寄せでも30万はするそうだ。信じられない。という事でOEM品を購入することにした。そのお値段なんと5万円。この25万円の差は何なのか。7人の諭吉が旅立ったが、ケイマンは直った。めでたしめでたし。とはならないのである。
2度目のオイル漏れ発生
またお前か。しかも前回と同じところから漏れている様子だ。とりあえずは様子を見る事にした。すると日によって漏れたり漏れなかったり、前回より量が少なかったりと大事ではなかったので、初心に帰って「まぁこんなもんだろう」と思うことにした。それからと言うもの特に問題は起きていない。
ケイマンの維持費について
最後に月々の維持費だ。ケイマンの燃費は下道で7.8km/L、高速で13km/L程だ。私の場合だと月々
3万円程だ。保険料は6等級で月々8000円程だ。これに車のローンや駐車場代が加わってトータルで
月々7万5000円程ポルシェに使っている。
最後に
確かに外車という存在は、車に興味のない人からすれば不必要なものかもしれない。軽自動車の方が圧倒的に経済的だろうし、ましてや中古の外車というのはリスクもある。「足るを知る者は富む」という老子の言葉があるが、ごもっともだと思う。しかし言い換えれば我々人類の多くは、中国春秋時代から変わらず「足るを知らない」のだ。人間らしいじゃないか。悩むくらいならさっさと買ってしまえばいい。問題は後から考えればいいのだ。きっとその選択が人生のスパイスになるはずだから。