路上に駐車されているスーパーカーには目を奪われますが、このスーパーカーはそれよりもはるかに特別です。このポルシェ 959はごく限られた数しか生産されなかった希少な車ですが、その中でもこの個体は最も希少なモデルである S プロトタイプで、9桁の価値があるにも関わらず、信じられないほど盗難が多いことで知られるサンフランシスコに路上駐車されていました。しかも鍵は前の座席にあり、窓は開いていたとのことです。
仕組まれたスタント?
ポルシェ 959はどれも特別で、非常に価値があり、わずか29台のみの生産だったハードコアモデル「959 S」を含め、全体で337台しか生産されませんでした。
可変トルクスプリット式と呼ばれる、画期的なコンピューター制御の四輪駆動システムを搭載しており、一時は世界最速の公道走行可能な量産車でした。
Redditのユーザー u/SRV87 と u/kabobinator によって発見されたこのポルシェ 959は、S プロトタイプと呼ばれる特別なモデルで、具体的には3台しか生産されなかったとされる プロトタイプ「F9」と呼ばれるものです。
このF9は他の959にはないユニークな特徴を備えています。だからこそ、2人のRedditユーザーが、サンフランシスコの路上で、窓が下ろされ、座席にキーが置かれたスーパーカーを発見した時、二人は非常に衝撃を受けたそうです。
様々な憶測が飛び交う
車がこのような状態で放置された理由について、Rddit上で非常に多くの議論がありましたが、どれもあまり良いものではないようです。
コメント欄では、サンフランシスコでは泥棒が窓ガラスを割らないことを願って普通の車でこのようなことをするドライバーもいると指摘する声もありました。もちろん、これではなぜキーが車の中にあるのかの説明にはなりません。
おそらく運転手は、この車を盗もうとする者は、なぜ足元にペダルが 3 つあるのか、ましてやペダルをどうすればよいのかを知る人はほとんどいないだろうと確信しているのでしょう。
もう一つの説は、これはおそらくインフルエンサーによって仕組まれた単なる”スタント”であり、人々の反応を捉えるために、あえて無防備な状態にしているというものです。もしそうなら、このような希少なポルシェの注目を集めるのは危険な方法であるように思えます。いずれにせよ、このような行為は愚行であるとの見方が大半でした。
959について簡単に解説
1986年にデビューしたポルシェ959は、当時のポルシェが持つ技術を結集した1台です。
ポルシェ959のプロジェクトは当初は「グルッペB」と呼ばれ、その名の通りグループBの公認を得る為に始まりました。
エンジンは、同社のグループC車両である「962C」に搭載されていたオールアルミニウム製、空冷式のブロックに水冷のシリンダーヘッドを組み合わせたものに手を加えたものを搭載。2898cc水平対向6気筒DOHCで、最高出力450PS/6,500rpm、トルク51.0kgm/5,500rpmを発生します。
このパワーを受け止めるのは可変トルクスプリット式と呼ばれる、画期的なコンピューター制御の四輪駆動システムです。
1987年の販売価格は約3600万円で、世界で最も高価な車のひとつとなりましたが、原価は約7200万円で赤字でした。