電気自動車の購入を検討している人々にとって、懸念事項の一つであるのが航続距離と充電の問題。これらの問題を手っ取り早く解決するには、電気自動車にガソリンや軽油で動く発電機を載せてしまえば良いわけです。
要は車用のモバイルバッテリーを携帯するイメージです。(それっぽく言うとレンジ・エクステンダー式ハイブリッド化させる)
アメリカのYouTubeチャンネル「Warped Perception」は、テスラ・モデルSにターボ・ディーゼル・エンジンを搭載し、充電しながら走行することで、可能な限り充電時間を削減し、2,500マイル(4,023km)の長距離ドライブに成功しました。
設計段階で見つかった問題

発電機の搭載にあたり、まず設計の過程でとある問題が明らかになります。それは、冷却です。走行中、ディーゼル エンジンは継続的に発熱してしまいます。熱くなりすぎると約25馬力 (19 kW/25.3 PS) の発電機のフルポテンシャルが発揮できず、可能な限り早くバッテリーを充電できなくなります。
そこでエンジンに巨大なルーフスクープを設け、走行風である程度の冷却を可能にしました。しかし、それでもエンジンを80パーセントの出力でしか動作させることができません。
EV最大のメリットを打ち消す

この装置の外観は、一見かなり洗練されているように見えますが、すぐにまた1つの問題が明らかになりました。それは音です。
「(走行中に)ずっとバックグラウンドで絶え間なく発電機が鳴っていると、それを忘れるか、高速道路でドアを開けて外に飛び出したくなる……でも、必要な場所には行けた」と彼は語っています。
EVに興味がある理由のひとつが静かな高級感だとしたら、車の後ろにエンジンを載せる行為は、そのメリットを打ち消すようなものですからね。
ハイブリッド化したテスラの燃費はいかに?

Warped Perceptionは、モデル S がディーゼルを満タンにした場合、合計で1,600 マイル (2,575 km) 走行できると見積もっています。通常のモデルSの航続距離が600kmであることを考えると、実に4倍以上航続距離を延ばせる計算です。
しかし残念ながら、車は常に最高の効率で走行していなかったので、このビデオの撮影中に 77 ガロン (291 リットル) の燃料を使用しなければならなかったとのこと。ドライブでは、これは約 35 MPG (14.88km/L) の燃費に相当します。
テスラは大きく、重く、強力ですが、燃費の数値はお世辞にも良いとは言えません。Warped Perceptionは、車をさらに効率的で洗練されたものにするために、バッテリーの充電にスーパーチャージャー付きロータリー エンジンの使用を検討していると述べています。
画像出典:Warped Perception