1億円以上を自動車に費やすのはたとえヴィンテージのフェラーリのような素晴らしい車であっても、筆者のようなド庶民には非現実的な事のように思えます。しかし、実際には1億円以上で車が取引されるのは珍しいことではありません。
しかし、1000万ドル(約14億)で売れた車は過去に64台しかありません。それでもまだ多いのですが、その価格を2000万ドル(約28億円)にまで引き上げると、その数は大幅に減ります。2000万ドルを超えた車は15台しかないのです。
とある1964年型フェラーリ250LMが今月、2000万ドルクラブに入りかけたましたが、最後の最後でわずかに届きませんでした。
1964年型フェラーリ250LMはなぜ特別なのか?

フェラーリの金字塔「フェラーリ250GTO」に続いて、1964年、フェラーリ250LMがファクトリーレーサーの座に就きました。フェラーリはこのレーシングカーを32台しか製造しませんでした。
つまり、この車は最初から非常にレアなものですが、最近競売にかけられた1964 年製フェラーリ 250 LM の魅力はそれだけではありません。
フェラーリが製造した32台のLMのうち、2台だけがレースに出場しませんでした。販売されたばかりのフェラーリ LM は、トラックの危険性を一度も見たことがない、新車のレースカーでした。
この車はルイージ・キネッティの NART (North American Racing Team) に加わり、1966 年 2 月のデイトナ 24 時間レースのスペアカーとして準備を整えましたが、出番はありませんでした。レース後、未使用でレースで戦える可能性を十分に備えたまま車両は売却されました。
ヴィンテージのフェラーリ250LMはいくらで売れたのか?

Artcurialのサイトにはまだこの車が掲載されており、リストの下には立派で控えめな文字で書かれています。ページには、”Sold: 15,771,200 €”とあります。ドル換算で16,867,298 ドル、日本円に換算すると、24億7044万8081円になります。ほとんどの人にとって、そのような金額を想像するのは難しいことです。
たしかに、その金額は驚異的ですが、このフェラーリは完璧といえるほど完璧なものです。パネル、ホイール、ブレーキ、塗装、すべてがオリジナルのままです。特に、宇宙で最も有名で影響力のある自動車メーカーの黄金時代のワールドクラスのレーシングカーとしては、これ以上のものはありません。
売り手は状態からして、このクルマが2000万ドル・クラブに入ることを予想していましたが、実際には2000万ドル目前で落札となり、がっかりしたそうです。24億円を手にしてがっかりする事もあるのですね。