2016年に発売されたマツダ ロードスターRF。今や国産新車市場では、ダイハツ・コペンとこのロードスターRFしかハードトップのオープンカーはない。新車価格は¥3,757,600~と決して安いとは言えないが、20代でも頑張れば手が届く価格だと思う。今回はそんなマツダ ロードスターRFを試乗レポートをお届けする。
※7/10更新 新車価格を追加いたしました。※
グレード
今回試乗したグレードはVSのバーガンディーセレクション。最上級グレードのRSがビルシュタイン製サンパーやレカロのシート等スポーティーなテイストに対し、内装にナッパレザーをあしらう等ゴージャスに仕立て上げたモデルだ。
ロードスターRFはオープンエアーでゆったりとスポーティーな走りをするのにもってこいな車だと思う。電動ハードトップ機構はお世辞にも軽いとは言えないので、がっつりスポーツ走行をする人はこの車を買わずにロードスターを購入する印象が強い。
ゆったり走るのなら内装はゴージャスであった方がテンションも上がるし、足回りも柔らかい方が街乗りでもストレスを感じない。そこでこのグレードをチョイスしたわけだ。
スペック
搭載エンジン | 2.0L 直4 DOHC |
トランスミッション | 6速MT/6速AT |
最高出力 | 116kW (158PS)/6,000rpm 2016-2018 135kW (184PS)/7,000rpm 2018~ |
最大トルク | 20.4kg/4,600rpm 2016-2018 20.9kg/4,000rpm 2018~ |
車両重量 | 1,100-1,130kg |
全長 | 3,915mm |
全幅 | 1,735mm |
全高 | 1,245mm |
0-100km | 7.4秒 |
駆動方式 | FR |
エクステリア
車体が小さくいかにも「すばしっこそう」なサイズ感。ロングノーズでボディラインの曲線が美しい。ハードトップ車の難点である、リアのデザインもユニークな開閉機構のおかげでクリアしている。丸みを帯びたグラマラスなボディと塗装のおかげで色に深みを感じる。それに対しフロントフェイスが近年のデザイン哲学によりシャープなデザインをしており、このコントラストがおもしろい車だ。
インテリア
大部分のマテリアルの質はいいと思う。ステアリングも本革巻きだし、VSのナッパレザーシートも柔らかく、乗り心地も良く感じた。ドアを閉めたときのデザインの一体感も良く、ユニークだ。サンバイザーや小物入れ等、細かい部分でチープさを感じる。しかし、インテリアのレザーの色遣いやデザインを見ればそんなのどうでも良く思えてくる。
いざ試乗
まず乗って感じたのはミッションが気持ちよく入ってくれる事だ。ストローク感が気持ちよいし、腕のポジションも丁度良い所に来るのが魅力的に感じた。クラッチも軽くこれなら長距離運転でも疲れにくいだろう。
電動ステアリングのおかげでステアリングも心地よく切れるし、車体の軽さも相まってスイスイ車が曲がってゆく。凄くよくできたコペンと言ったような感じだろうか。
瞬発的なパワーこそないが(普段500馬力越えの車達を扱ってるのでよりそう感じるのかもしれない)、普段使いをするなら申し分ないパワーもあるので、街乗りでストレスを感じることは無いだろう。中間加速だが、約1トンの車に2.0Lのエンジンが乗っているので申し分なく、むしろ楽しめるくらいのパワーがあるように感じた。
時速10kmまでなら走行中でもルーフの開閉が可能との事で、実際に試してみたが、驚くほど速い。その時間わずか13秒と短いので、急な雨でも信号で止まる前から走り出して少しの間であれば対応可能だ。私が以前所有していた初代コペンではできなかった事なので(純正状態)、そのありがたみを十分感じる事が出来た。
屋根を開けるとオープンカー特有の形容しがたい高揚感に包まれる。その一瞬一瞬が特別に感じる不思議な感覚だ。私が以前所有していたコペンは屋根を開けると剛性が低下し、スラローム等では車体がグニャリと曲がるのが分かる。街乗り試乗ではあるが、RFではそこまでの剛性感の低下は感じられなかったのが好印象だった。
まとめ
ロードスターRFはユニークな存在だ。新車で買える国産の普通車で、ハードトップのオープンカーはこのロードスターRFただ1台だからだ。ユニークな存在故に、デザインや性能等、求められるものは多い。しかし、そこをしっかりとこなしているのが魅力だ。キャンプ道具こそ満足には入らないだろうが、アフターパーツやコンパクトな道具を買うなどすればキャンプだって可能だ。「この車で日本一周なんて夢じゃない」と思えるほど相棒にしたい車であった。