ロールスロイスのドライバー、まるで「グランド・セフト・オート」のようにトンネルに隠れて警察の追跡から逃れる

『グランド・セフト・オート』を何時間もプレイし続けることでのみ磨くことができる狡猾さとスキルを駆使して、盗まれたロールスの勇敢なドライバーは水曜日の午後、ロサンゼルスのダウンタウンにある地下駐車場に逃げ込み、警察の追跡を逃れました。

KABCによると、盗まれたロールスロイス・ファントムの所有者は車を追跡しており、その情報をカリフォルニア州ハイウェイパトロールに提供したとのこと。警察ヘリも出動するほどの追跡劇へと発展しました。

犯人と盗まれたロールスロイスは見つかっていない

ロールスロイスのドライバーは必死で逃げまわり、指名手配レベルが5つ星の状態でダウンタウンに到達。交通量の多い交差点を横切り、何台もの車や歩行者と衝突しそうになりながらも、ロサンゼルスの主要な道であるグランドアベニューを爆走します。

やがて、犯人は建物と連結したトンネルを経由し地下駐車場に逃げ込み、当局とヘリコプターはファントムを見失ってしまいます。犯人は建物に逃げ込むと手際よくファントムを駐車場に叩き込み、逃走したようです。

警察は駐車場を巡回して容疑者を探しましたが、犯人と盗まれたロールスロイスは見つかっていないとの事です。この建物には複数の駐車場があり、逃げ道に使えるルートが多数あります。

いかなる犯罪や窃盗も容認されませんが、ロールスロイス・ファントムのようなものを盗んで警察から逃れる大胆さと技術を持った人は、キャリア犯罪者に違いありません。犯人が速やかに捕まることを願います。

画像出典：KBAC

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高級車の盗難は珍しくない

ロールスロイスのような高級車が盗まれるニュースは珍しくありません。今年7月にはアメリカ・ユタ州に住む29歳の男が、一日中酒を飲んだ後、”その場の思いつき “でディーラーからフェラーリを盗み出すという事件がありました。

また、4月には家族ぐるみでランボルギーニ・ウルスやマクラーレン・720Sなど1億3000万円以上の高級車を盗んだ事件もありました。

5000万円を超えるような車なら、より先進的なセキュリティを備えているようにも思えますが、意外にも盗まれる事例が多く存在します。

どうやって盗むのか？

・CANインベーダー

最近よく耳にする手口。車には頭脳であるECUから、CAN信号という配線が車両の隅々まで張り巡らされています。このCANは人間でいう所の血管や神経に当たり、これをインベード（侵入・侵略）して解錠やエンジン始動などを行う手口です。

従来では1つ目の機器でエンジンルームやバンパー内を通るCAN配線に機器を割り込ませ、そして機器からセキュリティやドアロックを解除した後、車に乗り込み、2つ目の機器でOBDⅡコネクタに始動専用の機器を接続してエンジンを始動させるといった方法で車両を盗んでいました。しかし、最近では2つの機器の機能を併せ持つ機器が数十万で出回っており、短時間での犯行が可能になってしまいました。

・リレーアタック

スマートキーを利用した盗難の手口。スマートキーは常時1～1.3m前後の範囲に微弱な電波を発していおり、車側が高周波の電波をスマートキーに発信してIDを照合して解錠・エンジンスタートが可能になります。リレーアタックはこの微弱な電波を「機器を使って受信・増幅させる役」、「中継する役」、「届いた電波を利用して解錠・窃盗する役」の3役のリレー形式で車を盗む手口です。

・コードグラバー

コードグラバーとはそもそもスマートキーのスペアをつくる機器の事です。車のオーナーが車を降りてドアを閉める時を狙い、犯人がコードグラバーを使ってオーナーが持つスマートキーのIDコードを自動的に読み取り、スマートキーのIDコードをコピーします。このスマートキーのIDをコピーできればドアの解錠・エンジン始動までが行えます。コードグラバーの有効範囲も100～500ｍと広いのも特徴です。