レーシングドライバー兼スタントドライバーのベン・コリンズは、暴露本を出してクビになるまで、スティグとしてBBCの番組「トップギア」で活躍してきました。
しかし、コリンズが有名なのは「スティグ」としてだけではありません。コリンズは、 『トップギア』での出演と並行して、さまざまな映画でスタント ドライバーも務めました。本稿ではベン・コリンズがスタントドライバーとして出演していた3つの映画について解説します。
フォードvsフェラーリ
1960年代のル・マンを舞台に、フォードとフェラーリの熾烈な争いを描いた作品「フォードvsフェラーリ」はコリンズが参加した映画の 1 つです。そしておそらく、トップギアのドライバーが参加するのに最適な映画です。
コリンズはこの映画のスタントドライバーの一人となり、サーキット上でクラシックカーを爆走させ、映画で披露された息をのむようなレーシングシーンを生み出しました。
意外と知られていないのはコリンズはこの映画の中で単なるスタントドライバーではなかった事です。コリンズは映画の中でデニー・ハルムの役も演じました。ハルムは実在する人物で、F1レースの勝者であり、実際に1966年のル・マンでマイルズとコンビを組んだドライバーです。
映画では策略により、彼らの車は2位となってしまいましたが、コリンズは単なる映画の運転手ではなかったのです。映画内での彼のシーンは悲しいことに非常に短かったにもかかわらず、重要な人物を演じました。
『007』シリーズ
コリンズは近年のジェームズ・ボンド映画シリーズにも欠かせない存在でした。ダニエル・クレイグの最後のボンド映画『ノー・タイム・トゥ・ダイ』や『007 カジノ・ロワイヤル』『007 慰めの報酬』『007 スカイフォール』など複数のシリーズに出演しました。
コリンズはボンドの代名詞であるアストンマーティン・DB5や、アストンマーティン・DBSを運転しており、007に必要不可欠な要素であるカーアクションを支えています。
ダークナイト ライジング
コリンズは確かに、長年にわたっていくつかの非常に素晴らしい映画に深く関わってきました。そして、彼が実際に関わっていたことを人々が知らないかもしれないもう 1 つの作品は、クリストファー・ノーラン監督のバットマン映画『ダークナイト ライジング』です。
フォードvsフェラーリや007シリーズでの彼の役割と同様に、コリンズはその映画の主要なスタント ドライバーの 1 人でした。
この映画では彼の懸命な努力に対する正当なご褒美として、カメオ出演も果たしています。
実力で掴んだ栄光
コリンズのスタントを見れば、彼が単なるトップギアのテストドライバーではないことが分かります。
「トップギア」で大衆車からスーパーカーまで、様々な車をサーキットでかっ飛ばしていた彼以上に、身の毛がよだつようなスタントを演じられる人はいないでしょう。
もうスティグとしてのコリンズを見る事は絶望的かもしれませんが、スタントドライバーとしてまた映画に出演する可能性は大いにあります。彼の次回作に期待です。
画像出典:BBC,Matt Maran Motoring,Hollywood,Aston Martin