【600馬力】ケーニグセグの史上最強の3気筒エンジン「TFG」とは

【600馬力】ケーニグセグの史上最強の3気筒エンジン「TFG」とは コラム
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ケーニグセグの2.0リットル3気筒エンジン、「タイニーフレンドリージャイアント(以下TFG)」は、今までに製造されたエンジン中で最も強力な3気筒エンジンです。2020年のケーニグセグ・ジェメラと合わせて発表され、史上最強の3気筒エンジンとしてその名を馳せました。今回は、このエンジンについて紹介していきます。

ケーニグセグ・ジェメラ

【600馬力】ケーニグセグの史上最強の3気筒エンジン「TFG」とは

ケーニグセグ・ジェメラのハイブリッドドライブは、四輪駆動でわずか1.9秒で100km/hまで加速し、最高時速400kmまで瞬時に到達します。

2.0LケーニグセグTFGツインターボエンジンは単体で600馬力を発生。さらに3つの電気モーターによる1100馬力も加わり最高出力は1700馬力です。

2019年末まで、世界で最も強力な2リットルエンジンのタイトルは、421馬力を発生するメルセデスAMG M139エンジンのものでした。しかしこのTFGの登場により、179馬力もの差をつけ見事トップを勝ち取りました。この差を埋めるのはいくらメルセデスといえど簡単なことではありません。

このエンジンの特徴は、3気筒のシリンダー容量です。TFGシリンダーは従来のものより大きくそれぞれ0.66リットルの体積があります。

したがって、エンジン自体は比較的小さいですが、シリンダーの中の基準では大きく、この容量が大きな馬力を作るポイントになっています。比較として、1.6リットルのフォーミュラーの1シリンダーはそれぞれ0.26リットルしかありません。

さらに、3気筒のパワーを押し上げるために、TFGには1つではなく2つのターボチャージャーが装備されています。これも最強と言われる由来の一つです。

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3気筒の小さなエンジンはどのように1700馬力を生み出すのか

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ケーニグセグが取った戦術はタイミングでした。具体的には、バルブのタイミングです。従来の内燃機関にはカムを使用してバルブを押すカムシャフトがあります。さらに、バルブが開閉した瞬間とストロークの長さの調節などを部分的に機械によって制御する機構もあります。一部のエンジンには、バルブのタイミング、トルク、ストロークを制御する複雑なシステムが備わっています。

ですが、これらは機械的に制御されています。なのであらかじめ決められたカムシャフトのタイミングでしか制御されません。つまりバルブ機能がカムシャフトによって決まるということです。

その結果、いくらカムシャフトの回転を早くさせたり遅くさせたりしても、カムシャフトは形が決まっており、これ以上エンジン効率を大幅に向上させることはもはや不可能でした。さらに問題は、バルブが比較的ゆっくりと動くため、閉鎖と開口の間にまだ完全に閉じ切っていないバルブがあることです。

これらが大きな問題点でした。

フリーバルブが最強エンジンの秘密

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ではこのも問題点をケーニグセグはどのようにして解決したのでしょうか。それがフリーバルブシステムです。

TFGの設計にカムシャフトがないためバルブは空気圧的および電子的に制御されています。チャンバーに空気を誘導し、バルブの動きをコントロールする電子機器によって制御され、バルブの動き自体は、バルブステムが配置されているチャンバー内の圧力を変えることによって制御されます。

このシステムによってバルブは、カムシャフトによって受けていた制限から完全に解放されました。バルブそれぞれ個別に管理されることによって、必要なタイミングに必要な分だけ正確にバルブを開閉することが可能になりました。

この革命的なエンジンと3つのモーターによって1700馬力は作り出されているのです。

出典:HOT CARS

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