最初のプロトタイプを発表してからわずか3年後の 1966 年、自動車業界の新参者であるランボルギーニは、パフォーマンスカー業界全体に革命を起こすことになる車両、ランボルギーニ ミウラを発表しました。この車が伝説的な理由は、今日誰もが知っていて愛しているミッドシップエンジンレイアウトを採用した、最初の真の量産スーパーカーだったからです。
発売前は、フェラーリ 275 GTB、 ジャガー E タイプ、アルファ ロメオ ジュリア GTAなど、世界中のほぼすべての立派なスポーツカーにはフロントにエンジンが搭載されていました。一方、競技用レースカーは、最適なパフォーマンスを実現するための最も効果的な構成であることが証明されてから、すでにミッドマウントエンジンを搭載していましたが、そのトレンドは市販車には引き継がれませんでした。
ランボルギーニがミッドシップエンジンのスーパーカーを世に送り出した時、すべてが変わりました。この偉業は、イタリアの自動車メーカーの評判を急上昇させ、フェラーリとの永遠のライバル関係を開始することになりました。自動車界を変えたスーパーカー、ランボルギーニ ミウラの背後にある物語をご紹介します。
ランボルギーニ ミウラはどのようにして誕生したのか
1964 年に初の公式量産スポーツカーとしてフロント エンジンの 350GTをリリースした後、ランボルギーニのエンジニアはミッドマウントエンジンと、その公道走行用シャーシへの応用の実験を開始しました。
しかし、当時ランボルギーニが用意していた高性能エンジンは 3.9 リッター V12 のみであり、後軸の上に縦方向に取り付けるには大きすぎました。この問題を解決するために、ランボルギーニはエンジンを横向きにし、横置きのミッドシップ・シャーシを考案しました。自動車メーカーは、1965年のトリノ サロン オート ショーで新しいシャシーを発表しました。文字通り外装ボディ パネルがなかったにもかかわらず、人々はすぐにそのアイデアに夢中になり、将来の車にいくつかの注文が入りました。
その後、ランボルギーニはイタリアの工業デザイン会社であるヌッチョ・ベルトーネと協力して、ミウラの外装ボディを製造しました。デザイナーのマルチェロ・ガンディーニやベルトーネ自身による徹底的な修正を経て、ゴージャスで時代を超越したボディがこの世に誕生しました。そして、それは今でも史上最も美しい車両デザインの一つとして広く認められています。
ミウラの見事なボディは1966年のジュネーブ・モーターショーで一般公開され、適合の問題からエンジンが搭載されなかったにもかかわらず、これ以上ないほどの好評を博しました。
その後、エンジンを収めるためにランボルギーニはエンジンのシリンダーブロック、クランクケース、トランスミッションをすべて同じスペースに詰め込むのアルミニウム鋳物を作成しました。そして、ついにミウラが完成したのです。
ミウラこそが「真」の世界初ミッドシップ・スーパーカー
先に発売された1965年のフォード GT40 マーク I こそが、実際には世界初のミッドシップ エンジン スーパーカーだったと主張する人もいるかもしれません。それは部分的には真実ですが、GT40 は実際には量産車として設計されたものではありません。
フォードは、競合車両の量産バージョンを必要とするル・マンの規制のため、 GT40の公道バージョンのみを製造しました。ランボルギーニ ミウラは、競技用レースの意図をまったく持たず、公道走行車両として実際にゼロから製造された初のミッドシップエンジン スーパーカーでした。
ミウラはミッドシップエンジンのトレンドに火をつけ、その後多くの高性能自動車メーカーがその流れに乗りました。これらはより魅力的な車両として見られただけでなく、車両の後軸にかかるフルサイズのエンジンを搭載することでバランスの取れた重量配分となり、トラクションとハンドリングが大幅に向上したからです。
ランボルギーニ・ミウラは世界最速のスーパーカーだった
ランボルギーニ ミウラは、元フェラーリのエンジニアであるジョット・ビッツァリーニによって設計された 3.9 リッター DOHC V12 を搭載しており、これは以前のランボルギーニ 350GT および 400GT モデルに動力を供給したのと同じものでした。
しかし、ミウラの性能を最大限に引き出すために、ランボルギーニは圧縮を高めることに成功し、ベースモデルのミウラ P400 で総出力350 馬力と37.5kg·mのトルクを達成しました。
ランボルギーニ初代ミウラは、1966 年から 1969 年にかけてわずか274台のみ製造され、このスーパーカーは時速280キロの最高速度に達しながら、0-100km加速はわずか 6.7 秒でライバルを打ち負かしました。
ランボルギーニは1968年のトリノモーターショーでミウラ P400 Sを発表した。このモデルは、パワーウィンドウ、最新のデザイン、改良されたエンジンを特徴とし、パワーを370馬力、トルクを39.0kg·mにまで高められています。合計で338台のP400 Sがランボルギーニの工場から出荷されました。
1971年にはミウラ P400 SVが発表されました。改良されたサスペンション、ワイドなトラック、そして385馬力、40.7kg·mのトルクを発揮する性能の向上が特徴でした。さらに、ワンオフモデルや改造されたSVがランボルギーニによって再設計され、1966年から1973年の間にミウラの総生産台数は764台に達しました。
要約すると、ランボルギーニ・ミウラほど、私たちが知っているスーパーカーに影響を与えた車はないという事です。
