この奇妙な車の名はヴァルモット・ヴェリタスRS III。1080kgの軽量ボディに、BMW製5.0リットルV10エンジンを積んだスピードスターです。
ヴェリタスとは?
車名のヴェリタスとは、1940年代にドイツから初めてF1に参戦したチームおよび会社の名前が由来となっています。もともとヴェリタス社は、第二次世界大戦の終わりに設立された、小さなドイツの会社でした。スポーツカーを作るという夢を実現したいと考えていた3人のBMW従業員によって設立されました。同社が1952年に倒産するまでに75台の車が製造されました。 最も有名な車は、Veritas-BMW Rennsport Spyder で、1930 年代後半の BMW 328 から継承された6気筒エンジンを搭載していました。
ヴァルモット社とは
ヴァルモット社は、ドイツに本拠を置く小さなスポーツカーメーカー。スポーツカー好きな15名のスタッフが、オリジナルのスポーツカーを開発していました。ヴァルモット社は、約50年間、レースや自動車業界から姿を消していた、同じドイツの会社であるヴェリタスの名前を復活させる計画を立てました。そして2001年に、ヴェリタスRS III として知られるコンセプトを発表しました。
コンセプトモデル
コンセプトの段階ではBMW製の6.0 リッター V12エンジンを使用し、最高出力670馬力を発揮しました。その後数年間、RS III の試作モデルは様々なショーに展示され、報道機関向けのデモンストレーションとして使用されました。また、軽量フレームを採用しており、総質量は950 kgを超えず、メーカーによれば、最高速度は350 km/hでした。
ヴェリタスRSIII
市販モデルのヴェリタスRSIIIは2009年に発表されました。エンジンは、BMW・M5やM6に搭載されていた5.0リットルV10を採用。最大出力は507馬力でした。トランスミッションには6速MTと、悪名高い7速DSGの2種類がありました。
フレームにはカーボンケブラーが使用されており、その重量はわずか1080kgです。軽量・ハイパワーにも関わらず、ABSやトラクションコントロールなどのハイテク装備なく、507馬力をドライバーがコントロールしなければなりません。
ボディサイズは全長4680mm×全幅2020mm×全高970mmと、幅が広く、
そんなヴェリタスRSIIIの価格は約3900万円で、50台の限定生産でした。
ハイブリッド案と休眠
2011年、ヴァルモット社は、RS IIIに電気モーターを備えたハイブリッドモデル、および完全な電気バージョンが計画中であることを発表しました。しかし、これは実現しなかったようで、2014年までに会社は休眠状態になりました。