ヒストリックカーの世界には多くの秘密と物語があり、その中には最初のハイブリッドカーも含まれています。ハイブリッドカーは現代の自動車産業において定着し、より多くの自動車メーカーが電気技術や環境に優しいデザインに投資しています。しかし、その始まりがどこにあるのか、不思議に思ったことはありませんか?誰が最初のハイブリッドカーを作ったのでしょうか?
電気自動車の黎明期

電気自動車の歴史は、世界初のガソリン車「ベンツ・パテント・モトールヴァーゲン」が登場した1886年よりもさらに2年前のことです。イギリスの発明家トーマス・パーカーが1884年に初めて実用的な電気自動車を設計しました。大容量の充電式バッテリーを搭載し、イギリスで乗客を輸送しました。電気自動車は1800年代後半から1900年代前半にかけて人気を博し、1910年頃に販売台数がピークに達しました。
しかし、やがてガソリン車の台頭がEVの衰退を招きました。ガソリンエンジンは電気モーターよりも安価で高効率であり、石油の大量埋蔵が確認されたことでガソリンが広く普及し、安価に入手できるようになったのです。その結果、電気自動車はニッチな商品となり、ゴルフカートやフォークリフトなど特殊な用途に限定されるようになりました。
しかし、電気自動車は技術として存続し、20世紀を通じて改良が続けられました。1990年代には、ゼネラルモーターズのEV1やトヨタRAV4 EVなど、最初の近代的な電気自動車が登場しました。これらの初期モデルは商業的にはあまり成功しませんでしたが、電気の利点とガソリンエンジンの利便性を組み合わせたハイブリッド車やプラグインハイブリッド車の開発への道を開いたのです。
フェルディナンド・ポルシェ、初のハイブリッドカーを製作

ローナー・ポルシェ・ミクステは、世界初のハイブリッドカーとして広く知られています。伝説の自動車エンジニア、フェルディナント・ポルシェがこの車を作り、1899年に発表しました。後にポルシェ自動車会社を設立したポルシェ氏は、20世紀初頭、高級電気自動車を製造していたウィーンのローナー社のコンサルタントとして働いていました。
フランス語で「混合」を意味するミクステは、ガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせ、燃費と性能の向上を実現しました。このハイブリッドカーは、前輪のハブに電気モーターを搭載し、全輪駆動と回生ブレーキを可能にした革新的な設計が特徴です。また、ミクステは洗練されたスポーティな外観が特徴で、ヨーロッパの富裕層を中心に人気を集めました。
その画期的なデザインにもかかわらず、ローナー・ポルシェ・ミクステはガソリン車の人気の高まりに対抗することができず、ミクステは1906年に生産を終了しました。しかし、ポルシェの革新的なエンジニアリングは、何世代にもわたってハイブリッド車や電気自動車の開発に影響を与えたのです。
トヨタ「プリウス」は初の量産型ハイブリッドカー

1997年に日本で発売されたトヨタ初の量産型ハイブリッドカー「プリウス」は環境意識の高いドライバーの間で瞬く間に人気を博し、トヨタはグリーンカー市場のリーダーとしての地位を確固たるものにしました。
初代プリウスは、1.5リッター4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせたものでした。発表当初の燃費は28.0km/lと驚異的なものでした。2003年に発売された2代目プリウスは、さらに燃費が向上し、10・15モード燃費で35.5km/Lを達成しました。
また、ブレーキ時に失われるエネルギーを回収してバッテリーに充電する「回生ブレーキ」など、いくつかの新技術も採用されました。また、空力設計や軽量化も燃費の良さに貢献しています。
そして現在でも、プリウスは最も知名度の高いハイブリッドカーのひとつです。