街中のカーディーラーを見つけたとき、近くに別のディーラーを見かけたことはありませんか?また、やたらここやへん車屋多いな。と感じたことはありませんか?これには戦略的な理由と工夫があります。今回はカーディーラーが密集している理由をご紹介します。
買い物客は多様性を重視する
あなたが自動車を買う理由はなんですか?人それぞれ理由があると思います。例えばA地点からB地点まで行ける手頃な価格のクルマが欲しいという安易な人もいるでしょう。
どの選択肢の場合でも、性能・燃費・サイズ・外観などに基づいて車を決めていくと思います。そして購入を決める前に欠かせないのが試乗です。この試乗する時に他のメーカーの車を見てもらうことが狙いです。
このやり方は自動車メーカーにもいくつかの点でメリットがあります。例えば、SUVを試乗して気に入らなかったとします。そうすると目の前に他のメーカーのSUVが見えたとしましょう。道路の反対側ですぐつくので見に行こうとなりませんか?
自動車メーカーは、車を探すためだけに街中を走り回ることを嫌う傾向にあることを知っています。ライバルのできるだけ近くにいることで、販売につながる可能性が高まるのです。
自動車メーカーは一等地にディーラーを置きたい
自動車ディーラーは、高速道路やショッピングモールなど、何かしらのスポットの近くにあることが多いです。これは新車を購入するタイミングでなくても、毎日そのディーラーを目にすることは間接的なマーケティングの一つです。
次の車が必要になったとき、どこに行けばいいかすぐにわかるようになります。また、どのクルマが欲しいかまだ決めかねているカジュアルな買い物客を引き付け、中には初めての訪問でクルマを購入する人もいます。
ディーラーは、これが絶好の広告チャンスであることを知っています。同じエリアにディーラーが集まっている。これはマーケティング的には逆効果に見えますが、実は逆なのです。これをホッテリングの法則といます。競合店のすぐ隣に店を開けば、実質的に顧客を共有することになります。これは、両者にとって広告宣伝費の削減を意味します。
立地の選択は自動車メーカー次第だけではない
自動車ディーラーは在庫を収容するために多くの土地を必要とします。さらにショウルームなどの建物も必要です。広い敷地は場所が決まってるため、自然と競合他社が集まってきます。
自動車ディーラーは、顧客を共有することでうまくやっています。広告を打つ必要もなく、買い物客は理想の車を見つけるチャンスが増えます。たとえディーラーが多すぎて多少目障りであったとしても、すべてがWin-Winになっているのです。