時代の流れとともに自動車は進化してきました。環境問題に安全機能。私たちは多くの機能を車に求めてきました。その需要に応えるべく、メーカーも開発し新しい技術を生み出してきました。その進化の代償もあります。それは修理代です。近年の自動車修理の金額は上がっていく一方です。そこにはどのような原因があるのでしょうか。
原材料の高騰

最初に思い当たるところは原材料の高騰なのではないでしょうか。軽くて強い素材。高性能なカメラ。感度がよいセンサー。これらには貴重な金属や素材が使われています。そもそも供給量は多くありません。そして需要が大きければ価値が上がるのが世の常です。そこに特定の材料の買い占めや輸送コストの増加。値段が高騰する理由は山ほどあります。その影響を1番受けるのは我々エンドユーザーなのです。
メーカーの思惑

自動車メーカーは新型車にさらなる技術や機能を追加し、互いに競い合うだけでなく自動車の可能性の限界を押し広げようとしています。昔の自動車で複雑なものといえば、タイミングや噴射を調整するために必要な電子制御ユニットぐらいでした。ですが、今ではセンサー・コンピューター・など目に見えない複雑なシステムへと進化し、燃料供給から車速制御まであらゆるものを制御しています。
一昔前は複雑でない分、不具合も少なく問題が発生したときの診断も容易でした。しかし、今問題になっているのは、構造上の複雑さではありません。最大の懸念材料はこの複雑さを支えているソフトウェアであり、工場が簡単に修理できないようにメーカーが取っている措置なのです。
ここ数年、あらゆるメーカーがユーザーやディーラー以外の修理工場に対して、簡単に修理できないような対策をしてきています。今まで出来ていた簡単な作業もセンサーが増え、コンピューター制御のおかげで専用のソフトやツールがないと作業できなくなってきています。そのツールは高額でありすぐに購入するには躊躇われる金額です。工場にも経営があるのでその作業の工賃で回収していくしかありません。そうすると必然的に修理代は高くなります。
教育費

先述の通り、新しい技術はメーカーが秘密にしているので世の中に出回りません。よって民間工場は実際に車を触り研究していきます。そうして新しい技術を学んでいくしかありません。昔と違い自動車整備士の資格だけでなく電気の講習なども必要です。こうした材料以外の要因もたくさんあるため、今後の自動車修理の価格は上がり続けていくでしょう。