今や高級車やレースカーに必ずといっていいほど使用されているカーボン。開発当初より数年が経ち、価格が落ちてきたとはいえ、未だに高級素材となっています。カーボンは非常に細い繊維から構成されており、とても軽く強度もあります。なぜこれほどまでに価格が高いのでしょうか。ここでは、カーボンの素材について。そして高価な理由についてご紹介します。
炭素繊維がもたらしたもの
炭素繊維の製造工程では、圧力と熱の混合が行われています。原料の繊維は高温に加熱され、炭化されて強く細い繊維になります。
こうして生まれた軽量で驚くほど弾力性のある素材は、さまざまな産業に革命をもたらしました。例えばカーボンナノチューブ繊維は、ケブラーに匹敵する引張弾性率(外力によって素材にかかる圧力の大きさを測定する方法)を持っています。この技術は防弾装甲に採用されていたりします。釣り竿やカーアクセサリーのような日用品から、航空機のボディや胴体まで。このカーボンファイバーが多用されています。我々の生活はこの炭素繊維に支えられているのです。
カーボンが高価な理由
理由は、他の素材と比べると、製造が複雑であることが理由としてあげられます。
炭素繊維は、一般的にポリアクリロニトリルから作られます。繊維状に成形された後、緊密に結合したパターンを維持できるように処理されます。そして高温の熱にさらされることで、ある程度の炭素原子だけが残ります。この糸は、特定の炭素繊維の目的に合わせて成形され、織機で織るように編まれるか、プラスチック素材と結合するように処理されます。この工程の多さが欠点になり高価な理由の一つになっているのです。ですが、この工程によって様々な形に生成が可能で汎用性も生まれます。
また、単純に原材料が高価という点があります。高価な素材を工程を重ねて加工するため、おのずと金額も高くなります。
炭素繊維のこれから
ある企業は、炭素繊維の強度と金属ベースの構造の表面全体に熱を分散させる能力を融合させた素材の開発に取り組んでいる。と発表しています。どんな素材になるのか予想はつきません。ですが、これからもこの軽くて丈夫な炭素繊維はまだまだ進化する可能性があるということです。需要は、宇宙関係や軍事関係まで数多くあります。よってこれからの炭素繊維の価格ははっきりとわかりません。しかしこれからの我々の発展のためには、なくてはならない存在になっていくことは間違いないでしょう。