マツダ・ロードスターは、その俊敏なハンドリング、信頼性、そして手頃な価格で知られる、最も人気のあるスポーツカーのひとつです。しかし、一部のエンスージアストにとっては、ノーマルエンジンでは物足りません。そこで、オリジナルエンジンをよりパワフルでユニークな、あるいは単にぶっ飛んだものに置き換えるエンジンスワップが登場します。
この記事では、V8エンジンを搭載したモンスターから10,000回転を超えるロータリーエンジンまで、これまでに完成したマツダ・ロードスターの最もぶっ飛んだエンジンスワップを5つ紹介します。
ヘルキャット・ロードスター

あの華奢なロードスターに、6.2リッター・スーパーチャージャー付きV8ヘミエンジンという巨大なエンジンが収まるわけがないと誰もが想像するでしょう。しかし、1100kgの車で707馬力を追求しながら、それを実現した男がいます。
この車の制作者はKARR氏で、彼のYoutubeチャンネルで車の詳細が紹介されています。エンジン以外にもサスペンション、ブレーキ、タイヤ、シートなどなど手を入れられるところは全て改造が施されています。
この車は2019年にラスベガスのオークションに出品され、オーナーの元を離れました。残念なことにその翌年2020年には次のオーナーと思われる方が事故を起こして車を大破させています。
400馬力のディーゼル・ロードスター

ロードスターにディーゼルエンジンを積むという、一見不可能なスワップが行われた例があります。「スート・サルーン」というニックネームを持つこのディーゼルターボロードスターには、ディーゼルスワップではお馴染みのカミンズ製4BTエンジンが搭載されています。
エンジンはノーマルの3倍も重いですが、400馬力以上を発揮し、バーンアウトやドリフト用にセットアップされています。
スバル・WRXのエンジンを搭載したロードスター

WRXのエンジンは、重量配分をさらに高めたいロードスターに最適です。2.0Lの水平対向4気筒ターボエンジンは、シャシー内の重量をさらに低く設定し、ハンドリングを向上させます。ノーマルエンジンより重量が大幅に増えることはなく、誰もが好む50対50のバランスが保たれています。
また、スバルの四輪駆動システムとロングトラベルサスペンションも装備され、困難なオフロード地形にも確実に対応できるようにカスタムされています。エンジンには、大型のターボチャージャー、社外クラッチ、新品のインタークーラー、カスタム燃料システムなどのさまざまな変更が加えられています。
トヨタ・センチュリーのV12を積んだロードスター

トヨタ・センチュリーの巨大な12気筒エンジンもロードスターのエンジンルームに収まるそうです。1GZFEは280馬力と49.0 kgmのトルクを発生します。このリストで最もパワフルというわけではありませんが、間違いなく最高のサウンドを奏でるマシンです。
ロータリーエンジンを搭載したロードスター

これはよくあるスワップであり、傑作と呼ぶべき作品が多数存在します。その中でも個人的にお気に入りなGrassroots Motorsports製のロータリーロードスターをご紹介します。
ブランドに忠実に、コンパクトなロータリーエンジンはロードスターにとって理想的なスワップです。パワーが増すだけでなく、オリジナルのエンジンよりも軽量なのが魅力です。自然吸気ではほぼ同じ馬力ですが、ターボチャージャーを付ければ500馬力以上に達することもあります。しかし、このスワップの最大の魅力は、そのサウンドです。
エンジンスワップに持って来いな車
マツダ・ロードスターはエンジンスワップにとって万能なプラットフォームであり、愛好家たちは可能性の限界に挑戦しています。
巨大なヘルキャットエンジンからユニークなロータリーエンジンまで、それぞれのエンジンがユニークな特徴をもたらしています。カミンズ製ディーゼルの生々しいパワーも、V12トヨタ製エンジンのF1さながらのサウンドも、どれも非常識で素晴らしいアイデアです。
ロードスターのコミュニティは革新と限界への挑戦を続けており、次にどんなぶっ飛んだエンジンスワップが登場するのか楽しみでなりません。
画像出典:Hoonigan,Engine Swap Depot,Gingium,That V12 Miata Bruh,Grassroots Motorsports